定年まであと何年?

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【読書感想】秋雨物語

2023/09/29_読破。貴志祐介/著。

失踪した作家、青山黎明が遺した原稿。

それは彼を長年悩ませる謎の転移現象の記録だった。転移に抵抗する青山だが、更なる悪夢に引きずり込まれていく『フーグ』より。

4編のホラー短編集。


『餓鬼の田』

社員旅行で立山黒部アルペンルートにやってきた谷口美晴。早朝、同じ課の社員で、ちょっと

いいなと思っていた青田が一人で歩いているの

を見つける。慌てて声を掛けた美春は、

彼に恋人はいないのかと尋ねるが、青田は

おかしな話をする。

 彼は前世で罪を犯した為、恋人とは絶対に

結ばれない運命にあるのだと…。


『フーグ』より

 編集者の松浪は、締切を過ぎて反応がない

作家の青山黎明に連絡する。しかし。青山の秘書兼恋人の高木から、青山は行方知れずになっていると知らされる。行方を探す手掛かりと、青山が書きかけである小説を送って貰うが、

その内容は、軽く信じられない内容であった。青山は子供の時分から、見知らぬ場所を夢に見て、寝ている間に夢で見た場所に瞬間移動してしまう事を繰り返していたという。危険を感じた青山は、霊能者に相談し、この現象に対抗する方法を模索するが…。


『白鳥の歌』より

売れない作家の大西令文は、資産家の老人、嵯峨平太郎から仕事の依頼を受け、彼の自宅を訪れる。音楽ファンであり、オーディオファンである嵯峨から、SPレコードで録音されたという幻の日系アメリカ人歌手、ミツコ・ジョーンズの歌を聞かされ、その歌声に驚かされる。

 嵯峨から依頼された仕事とは、ミツコの伝記を執筆して欲しい、というものであった。

丁度その時、アメリカでの調査を依頼していた黒人男性のロスが訪れていた為、大西は一緒に調査報告を聞く事となるのだが、その内容は

恐るべき内容であった…。


『こっくりさん』より

 とある事件を起こしてしまい、自殺を考えていた小学生の少年拓矢。難病で余命幾許の友人、遼人から死を覚悟した『こっくりさん』を行うことを提案される。それは命をかける様な問題を抱える4人を集めて行う儀式で、そのうちの3人は人生をやり直すチャンスが与えられ、残り1人は命を落とす…という物だった。以前にも

儀式を行った事があるオカルト研究家、牛窪の案内から、廃病院を訪れ、コックリさんをする事となる。

結果、遼人は死に、残り3人は危機を脱する事

になるが、数十年後に再びコックリさんを

する事になる…。


ホラーとしては、ちょい怖ですが、個人的に

『餓鬼の田』が気に入ってます。話を聞いて

いい雰囲気になった筈の美晴が^_^

呪いがいいオチを出してます。

あと、『白鳥の歌』は、『天使の囀り』を

思い出させてくれます。貴志祐介さんは、

ホラーって銘打って書かない方が、怖い話

書いてると思う(^◇^;)