【読書感想】間借り寿司まさよ
23/09/20_読破。原宏一/著
いつもニコニコほっこり笑顔のおばさんだが、鮨を握らせたら銀座の一流職人も顔負け。
店を持たず、間借りで鮨屋を開く雅代。
そんな彼女の元には悩めるひとや、困り事が
舞い込んでくる――。
鮨も、人の心も胃袋も握る雅代さん。
そんな雅代さんの魅力あふれる鮨小説。
『バスクの誓い』
妻とスペイン料理店を営んでいる椋太。スペインのバスク地方で料理修業している際、一人旅をしていた佑衣と出会い、帰国後に結婚して本格バスク料理を売りにしたレストランテを東京_人形町にオープン。たちまち人気店となるも、コロナウイルスの感染拡大で経営難となる。
やむなく大衆価格のスペイン料理を扱う食堂への切り替えを決断する。しかし、店の経営方針を巡り、佑衣と喧嘩が絶えず、いつしか家庭内別居状態になってしまうが…。
『能登栗の声』急逝した父に代わり、金沢の洋菓子店「マロン亭」を継いだ2代目社長_陽菜。カリスマ創業者の父の代わりに、従業員の心をひとつにしようとするが、「マロン亭」の売り上げが伸び悩んでいる商品、プリンの改良に対し、職人達と意見が合わなく、困惑していた。そんな折、陽菜より年下の販売部長が東京の飲食会社との業務提携の話を持ち込んで来る。
果たして、「マロン亭」と陽菜の運命は?
『四方田食堂』千葉県富津市の漁師町にある小さな食堂。そこは地元漁師達の憩いの場。
しかし、四方田食堂の店主夫婦は高齢で、
今は朝の営業だけを営む。
東京で焼肉店の経営に失敗し、自己破産をして地元に戻ってきた晃成は、ひとり暮らしをする母の元へ転がりこむ。幼い頃に良く世話になっていた四方田夫婦の営む食堂を手伝う事となる。母の冷たい態度に耐えながら、四方田食堂で働く晃成だが、晃成の料理は空腹である筈の
漁師たちに受け入れて貰えない。そんな中、
食堂の女将さんが怪我で入院してしまう。更にリゾート開発の業者から、四方田食堂の土地買収の話が持ち上がるが…。
とりあえず、2話を除いて1話目のバスク料理店と四方田食堂に、間借り寿司屋を営業する
雅代さん。辛い過去を持ちながらも、いつも
前向きでポジティブな彼女は、間借りした店舗の悩みの解決の手助けをしていきます。
彼女が解決するのではなく、あくまでも
手助け。そして、そんな手助けに役立つのは
雅代さんの心尽くしの江戸前寿司。
あー!雅代さんの寿司が食べてみたい!
(もちろん、バスク料理もマロンプリンも
四方田食堂のご飯もですが)
やはり、美味しい食べ物は人の心を穏やかに
してくれるのよ!という一冊。
読むとお寿司が食べたくなります^_^
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