【読書感想】水を縫う
23/09/10_読破。寺地はるな/著
手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている高校一年生の清澄。一方、結婚を控えた姉の水青は、かわいいものや華やかな場が苦手だ。そんな彼女の為に、清澄はウェディングドレスを手作りすると宣言するが、母・さつ子からは反対される。『男なのに』『女らしく』『母親/父親だから』。そんな言葉に立ち止まったことのあるすべての人へ贈る、清々しい家族小説。
松岡清澄は高校一年生。1歳の頃に父と母が離婚し、祖母と市役所勤めの母、結婚を控えた姉の水青と四人暮らししている。
清澄の趣味は手芸。中学生時代迄、学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いていた。
高校生になった清澄は、祖母や母親の心配を
払拭する為、新しく出来た友達に合わせようと
するが、同じく同級生で『石が好き』な高杉くるみが、クラスで孤立しながらも、自分の
好きなものを貫き通す姿に、心を決める。
一方、清澄の姉の水青(みなも)は、結婚を
控えていた。かわいいものや華やかな場が苦手な為、結婚式すら躊躇う水青だったが、結婚相手の親の希望で、式はしなければならない。
しかし、ウェディングドレスを選ぶ事が
出来ず悩んでいた。そんな姉を見かねて、
姉のドレスを手作りする、と清澄は宣言する
のだが、『普通』にこだわる母に一蹴される。
そんな水青と清澄の母、さつ子は、いつまでも父親になれない夫と離婚し、役所に勤めながら、シングルマザーとして必死に生きてきた。しかし、思春期を迎えた清澄は、扱いづらくなるばかり。そんなさつ子に、母は『あなたには失敗する権利がある』と諭す。子育てに大切な「失敗する権利」とは――?
世の中の『普通』を踏み越えていく、
清々しい家族小説。
こちらの本は、なんと2021年の「第67回 青少年読書感想文全国コンクール」高等学校の部
の課題図書だったそうで、私の感想より、
検索したら素晴らしい感想が沢山ありそうです。
『男なのに』手芸が好きな清澄。『女なのに』
可愛いものが苦手な水青。『母なのに』家事が
好きではないさつ子。『父なのに』父親らしく出来ない全(清澄と水青の父)
この本を読むと、母だから、女だから、て
縛りが、確かにこの世には存在してて、それが
どんなぬ『常識』として人を縛っているか、を
考えさせられます。確かに、私も母親らしい事
苦手だけど、ご飯だけは作らんといかんなー、
て思い込んでますもんな。さつ子さんの、
『これくらいしか母親として出来ないから』
という思い込みもあるのだと思います。
家族小説書かせたら、この方、天下一だわー、
と感心しております。オススメ。
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