【読書感想】わたしの良い子
23/09/08_読破。寺地はるな/著
出奔した妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。勉強が苦手で内にこもりがちな、決して『育てやすく』ない朔との生活の中、椿は彼を無意識に他の子どもと比べている事に気づく。
それは、大人としてやってもいいことなのだろうかーー。
三十一歳独身、文具メーカーの経理部に勤める椿は、出奔した妹の子どもの朔と暮らす事に。
小学生になった朔は、1人で集団登校の群に
入れず、勉強も遅れがちでクラスでも孤立し
自分の世界に閉じこもる事が多い。
焦る椿は朔を学習塾に入れる。学習塾には椿の
同級生だった静原の娘愛結が、教育熱心な母親と通っていた。
毎日の子育て、勉強も運動も苦手で内にこもりがちな朔との生活は、時に椿を追いつめる。
ある日椿は、朔が愛結を叩いたと学校から呼び出しを受ける。学校に行くと、教師から、
既に朔は愛結に謝っており、事件は解決済みだと言われるが、朔が何故愛結を叩いたのかは
わからないという。
理由も分からず、朔に謝らせて事件が解決した
という教師の言い分が納得出来なかった椿は
帰宅後、朔と話をすると、朔が毎日の様に愛結
から嫌がらせを受けていた事を知る…。
朔を捨ておき迎えに来ない妹は置いといて、
母ではないけど、真剣に朔と向き合って、朔を
育てようとする椿が凄く尊い。
作中で椿が放つ一言一言が、凄く重くて深い。
不妊治療しても子を授からず、人知れず悩んでた所に、飲み会でデリカシー無い上司に『なんで子供作らないのか』と問い詰められている
男の同僚を見た椿は「やめてください」と、会話を遮る。飲み会の後に『あんなの、女子に言ったらセクハラだよな』と愚痴る同僚に対し、
「男とか女とか、関係ないよ。セクハラはセクハラ。もっと怒っていいんだよ」と言います。
はーーー(*_*)
これ以外にも、心にぐさぐさ刺さる(いい意味で)エピソードが沢山出てきます。
これはホントに良書だと思います。オススメです。
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