【読書感想】どうしてわたしはあの子じゃないの
23/08/23_読破。寺地はるな/著。
中学の同級生だった男女3人。憧れ、嫉妬、後悔…伝えられなかった言葉は、卒業前に書いた手紙に込められた。別々の人生を歩み30歳になったある日、あの時の手紙を読もうと連絡が来るが…。
閉塞的な村から逃げ出し、身寄りのない街、東京で、一人小説を書き続ける三島天は、30歳になるが、未だ泣かず飛ばず、食品生産工場で働きながら、かつかつの生活を送っていた。
とある日、中学時代の友人_ミナから、中学の頃にみんなで書いた手紙を開封しよう!という連絡を貰い、焦る天。
閉鎖的な村で、理解なき旧暦的家庭で育ち、
何とか逃げ出したいと、都会に憧れる天。
その幼馴染、ルックス良し性格良し、モテモテ
で、天に片想い(天以外は皆にバレバレ)の
藤生。小学生の頃、東京から引っ越して来て、
天と友達になり、藤生に片想いするミナ(苗字が小湊だから)。
天はミナの境遇に憧れ、ミナは天に憧れ。
藤生はずっと天以外見えていないが、モテる
為、ミナから好意を寄せられ、周りからも
ミナとの付き合いを期待される(天すら、
藤生とミナの仲を取り持とうとする)。
そんな3人の30歳現在と、中学生当時を
章仕立てで行ったり来たりしながら描いた
青春?ストーリー。
読んでて甘酸っぱくて、苦いお話。
誰しも、友人や身近な人の境遇を羨んだ時期、
あるでしょ?私も大学生時代、沢山羨みました。まあ、ある年齢から悟りなんか、どうでも
良くなるけど(^ ^)だからこそ、分かる分かる!
というお話。
地元も実家も嫌いで、どこか『ここ』ではない場所、都会(現実逃避の最たるもの)に憧れ続ける天。
美形故に周りから珍獣扱いされる事に僻遠していて、幼馴染の天に対し好意を抱いている生。
しかし、想いは全く伝わらず、天からはミナとくっつけられそうになり、更に、東京からやって来た若者と天が仲良くするのを見、毎日焦燥にかられている。
小学生で都落ちし、地方(元地元議員の祖父のうちに住まう事になったミナは、男尊女卑が服を着ている様な祖父相手に小さくなっている
両親を見て過ごすが、祖父がいる故に両親の仲が日に日に悪くなって行き、毎日祖父の死を願って過ごす。
中学生の生活は、大人の都合で左右される、
不条理さを思い出したわ。歳を取ると、分かる
様になる事もあるけどね(^◇^;)
とにかく、あー。わかるー、というお話。
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