【読書感想】号外!幕末かわら版
23/08/22_読破。土橋章宏/著
嘉永六年(1853)江戸。銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を出版して糊口を凌いでいた。
ある日、浦賀に来た黒船を取材に行った事から人生が変わる。
江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会う銀次。
大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じる内、報道の使命に目覚め、弱き大衆の為に立ち上がる。
やらせまがいの心中、妖怪ネタ、売れればネタには拘らない銀次と、歌川国芳の弟子の歌川芳徳。二人はかわら版を刷る事で糊口を凌いでいた。
ある日、瓦版のネタにすべく、黒船を取材に
行き勝手に乗り込み、米人に捕らえられた所を吉田松陰に救われる。松蔭の言動に感銘を
受けた銀次は、その後幕府に罰せられている
松蔭を、かわら版の記事で救う。
その後、江戸の大火があり、銀次は避難所の位置や、親族の無事などを、区分け(他の瓦版屋と申し合わせ)したかわら版を作成し、それをほぼ只同然で被災した民に報じる。
向島の通いの芸者の琴若から金を借りてまで
増版したもの。銀次達の作るかわら版は、低俗な部分はあるが、最新の情勢を伝えていたが為に、老中の阿部正弘ら幕閣に知られる事となる。更に、その批評精神は西郷吉之助を通じて島津斉彬をも感動させ、大口客とする。
更に市政で流行りはじめたコレラには、
対応策とアマビエの絵を刷り、販売する。
そんな事を続ける内、銀次は政府から目をつけられ、かわら版を販売できない事態になり、
江戸を退き、井伊直弼の不正を民衆に
知らせて歩く。報道の使命に目覚めていく銀次
の運命は…。
銀次というキャラクターを主にした2次創作?
黒船に勝手に乗り込んで囚われた銀次を救う
吉田松陰。銀次の瓦版の大口客になる西郷隆盛。黒船に向かう銀次を相手に語る坂本龍馬。
政府に目をつけられ、消されかけた銀次を救う
土方歳三。正に、歴史ヒーロー盛りだくさんな
お話です。出来過ぎだけど、ほどほどにワクワク出来たお話。
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