定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】家族パズル

 

23/07/17_読破。黒田研二/著

悲しみの裏側にそっと隠された深い「家族愛」5つの物語。

家族だって、お互いに分からない事は沢山ある。衝突もする。それでも様々な出来事をパズルのように埋めていけば、家族の本当の姿が見えてくる。

この謎解きと感動に、あなたはきっと家族に会いたくなる…。


『はだしの親父』父は入院中の病院で、夜中に病室を抜け出し、雨降る中、病院の庭で裸足で亡くなっていた。葬儀で一同に介した三兄弟は、昔話をしがてら、謎解きに挑むが…。

『神様の思惑』家族で遊園地に出かけた私は、迷子をあやすお爺さんと出会う。それは、昔自分の友人達を殺めて捕まったホームレスはだった…。

『タトウの伝言』借金を背負った青年は特殊詐欺グループに脅され、母を騙して、父の形見である名画を狙うが、母親は、電話連絡しても、

全く乗って来ない。やむなく、実家に忍び込む事になった青年が見たものは…。

『我が家の序列』リストラされた中年男は、迷子の犬を拾って来てしまう。迷子犬はすぐに家族に慣れ、家族の一員となるが、男にだけは中々懐かず…。

『言霊の亡霊』25年の間、男は母親が言った一言に苦しめられてきたが、ある出来事をきっかけに、記憶の齟齬に気づき、記憶を辿り直すと、その一言には、全く違う意味が隠されていた…。


色んな家族の、ほんのり温まるエピソードを

描いた短編集。特に気に入ったのが、表紙のワンコの話『我が家の序列』。今まで家庭を顧みないで生きてきて、いきなりリストラされて家にいる様になった父親が、迷いワンコ?と触れ合い、心通わせる内に、良い方向に変わっていく…、話の筋は見え見えだけど、良い話!なので、興味を持たれた方、読んでみて下さい。