定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】転がしお銀

23/05/24_読破。内館牧子/著
江戸下町の貧乏長屋に現れる妖怪。長屋には、妖怪に立ち向かう美貌の浪人や訳ありの
父娘等、様々な住民が生活を営んでいた。様々な過去や秘密を持つ人々が織りなす
人間ドラマ。NHK金曜時代劇原作。


時は文政10年、奥州高代藩の家老だった山岡網右衛門は、家督を譲った息子の
孝左衛門が、部下の不始末の責任を取って切腹させられた上に、山岡家はお家断絶と
なってしまい、住む所すら無くなってしまう。
更に、娘の菊はもともと婚家と折り合いが悪かった所に持って、兄の不始末も
あり、婚家から離縁され網右衛門の所に戻ってきた所だった。
落ち込み、無気力になった網右衛門に、菊は『江戸へ出て、孝左衛門を切腹に
追い込み、脱藩した部下を探して仇討ちをしよう』と提案する。
町人に姿を変え、出羽から来た八十吉と銀と名のり、ある貧乏長屋で暮らし始めた
網右衛門と菊。お銀と名を変えた菊は、長屋で長患いの母を世話する美貌の青年
宗太郎に一目惚れをしてしまう。
長屋には宗一郎親子の他、髪結いの勘助と辰巳芸者の梅弥の姉弟、元力士の
恐山霊五郎とその幼い娘・お雪、花売りの留造と鬼拳と異名を持つ力、子沢山の
ラブラブ夫婦・一平とお花など、個性豊かな住民達が暮らしている。
長屋の差配兼油屋を営む土佐屋伝兵衛の息子、初一郎はお銀に惚れてしまい、
初一郎の母であり油屋の女将を勤めるお安は気が気でない。


父娘が長屋で住む前から、長屋には怪異があると噂されていたのだが、
住み始めてからも、のっぺらぼうや豆腐小僧、天狗等が出現し、父娘の生活は
慌ただしい。もともとおばけ話に目がない八十吉は、怪異の正体を暴く為、
奔走し、怪異の正体をつきとめ、長屋の住民達と親しくなる。


八十吉は『作家で話のネタにする為』と偽り、廻り髪結いの勘助の弟子入りをする事に。
銀は、花売りの留造達と行動をともにし、お互いに江戸の町で仇の情報収集をする。
銀と宗一郎は徐々に仲良くなっていくが、宗一郎には秘密があり…………。



宗一郎が父娘の仇だった所までは想像ついてたのですが、その後の展開が
ちょっとショックだった…。八十吉さんもとい網右衛門さんの気持ちを考えると
落ち込むよねぇ……。更に、お銀さんじゃなく、梅弥さんを推していたので、
宗一郎とくっついてくれそうでホッとしました。


この小説、2003年にNHKでドラマ放送されてたらしく、宗一郎は武田真治、
初一郎は小泉孝太郎ですって。あら、豪華ね。
でも、美貌の青年???(←今の武田真治のイメージだから違和感)ねぇ。


なぜ、転がしお銀なのかというと、お銀さん曰く『人間は転がってないと、死んじまう』
から、ずっと『転がり続けなきゃいけない』んですって。
要するに、動くこと考えることをやめてはいけない、と言うことなんでしょうけど、
私、最初タイトルを見た時に、何か、人を手玉に取って操るやり手の女の人?
みたいのを想像してましたので、全然イメージと違うお話でした(^o^;)