定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】今夜

23/05/09_読破。小野寺史宜/著
試合に負けたボクサー。借金を背負った女性タクシードライバー。仕事も夫婦関係もうまくいかない警察官。その妻の高校の国語教師。東京に住む4人の人生が交錯する夜を描く。



その夜、4人は別々の場所で、各々が持つ背景を抱え、月を見たーーー。


直井蓮児。ボクサーの彼は、ある試合で勝った事により、燃え尽き症候群となっていた。ジムの会長から紹介された仕事からも、大好きなボクシングからも逃げ出そうともがいていたある日、引越し業のバイト仲間から、仕事を持ちかけられる。呼び出された先で、蓮児は『バイト仲間の彼女を盗撮した奴を恐喝して金を搾り取る為の用心棒』代わりとされてしまう。事が済んだ後、自己嫌悪に陥った蓮児は、1人呑み過ぎしまい、タクシーで帰宅すると、彼女が待ち構えていた。彼女と揉めた後、逃げ出した駅のホームで酔っ払いに絡まれる蓮児。ボクサー故に、自分から手は出せないと必死に堪えるが、相手は執拗に絡んできて……。


立野優菜。タクシードライバーの彼女は借金を抱え、金に困っていた。ある夜、酒によった客と会話をする。客は自分をボクサーだと言い、色々と話をする。料金精算の際、ボクサーの客は五千円と一万円を勘違いして支払う。間違えている事は知っていたが、ボクサーの客が酔っ払い、勘違いに気づかない事を良い事に、ついつい差額の五千円を着服してしまう優菜は、その後後悔するが、ボクサーの客とは出会えない……。


坪田澄哉は交番勤務の警察官。上司に憧れ、一生交番勤務を目指すが、配置換えにより次に来た上司は最低最悪の男。毎日が苦痛で仕方がない。そんな中、不審者を恐れ相談に来ていた老女は空き巣に入られ、彼氏からしつこく言い寄られて困っていた女を助けるが、その女から苦情が寄せられたり、ついてない。その鬱憤は飲酒に向かい、澄哉は非番の日は昼からひたすら飲酒する様になる。ある日、飲んだくれて帰宅した澄哉は、高校教師を務める妻と喧嘩し、口論の末に妻に手を上げてしまう。それによって益々追い込まれた澄哉は、出先(私服時)で盗撮犯を捕まえるが、盗撮犯を金で見逃してしまう。
ヤケになった澄哉は、その金で又も飲み歩き、駅のホームである男に絡む…。


警察官の坪田澄哉の妻で高校教師を務める荒木奈苗は、どんどん溝が深まる夫婦生活に悩んでいた。訳の分からない相談電話で時間を奪う生徒の親。勝手なノリと理由で部活顧問を押し付けてくる校長と同僚。上手くいかない時は何もかも上手くいかない。とうとう、口論の末に澄哉に手を挙げられた菜苗は、以前の赴任先で世話になった憧れの先輩教師を呼び出して、悩み相談をする。優しくされたくて、何かを期待して、先輩にすがる菜苗だが、そんな彼女に先輩教師は……。



本来善良に生きる4人の登場人物が、その夜、ちいさな善悪の境界線に立たされた。
各々が出した解答は如何に、というお話。終盤まで、この本の趣旨が良くわからなかった私は阿呆なのです…(´・ω・`)
前半戦蓮児の章で、蓮児が酔っ払いに絡まれ、ホームで投げられ暗転。澄哉の章でも、終盤で蓮児に絡み、やっちまった!!的な所で章が終わってしまい、てっきり澄哉が蓮児を殺っちまったかと思いこんでました……。
最終的に、みんな、良い人達なのよね~、と安心できるオチです。
私も、出来得る限り(こないだ某ドラマで『出来る限り』との違いを語っておったので、間違いなくこっちで)善良に生きたい……と思う(゜-゜)