定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ペッパーズ・ゴースト

23/05/06_読破。伊坂幸太郎/著
中学国語教師の檀は、他人の明日が少しだけみえる特殊能力を持っていた。ある日、彼は教え子の乗る新幹線が事故に遭う未来を見てしまい、教え子が新幹線に乗るのを阻止する。礼を述べたいという教え子の父親と会う事になった壇は、生徒の父親の失踪事件へと巻き込まれていく…。


中学校の国語教師_壇千郷は、自分の生徒が書いた小説を読ませて貰っていた。その小説は、以前『猫ゴロシ』事件に関与していた人間を懲らしめる『ネコジゴハンターの2人』についての物語だった。
一方、壇は飛沫感染することで感染元の人間の翌日の様子を見ることが出来る『先行上映』なる不思議な力を持っていた。ある日、生徒の里見大地が『新幹線で事故に遭う翌日』を見てしまい、咄嗟に『先生の知り合いの占い師が…』と、事故に遭う新幹線に生徒が乗車するのを阻止する。後日、壇に礼をしたいという大地の父親_里見八賢と会い、八賢がトイレに監禁されている『先行上映』を見てしまう。生徒の父親のピンチを見過ごす訳に行かず、壇は彼を助けようとする。
そして、『サークル』と呼ばれるグループのメンバーと関わり出した壇は、思わぬ事件に巻き込まれていく。里見八賢が入っていた『サークル』とは、某事件で身内を亡くした遺族の集まりだった。サークルのメンバーを怪しみ警戒していた壇は、名前と職業を偽り彼等に近付くが、途中、昔の教え子により名前と職業を偽っていたことがバレてしまい、メンバーの一人に拘束されてしまう。
そんな絶体絶命の中、壇の前に現れたのは、生徒の小説の中の登場人物、ネコジゴハンターの『ロシアンブルとアメショー』だった……。



飛沫感染した相手の翌日が見える、壇の未来予知。その未来予知の使い道について常々悩んでいる壇が、新幹線事故から生徒を救った事により、消極的な考え方が変わっていきます。
そして、行動を起こすようになった壇のピンチに登場するのは何故か、生徒の小説の登場人物、ロシアンブル(心配性)とアメショー(楽観的)の二人。サークルのメンバーの一人が『猫ゴロシ』に関与していた為に、監禁されていた壇と出会うのですが、この出会いもファンタジー的で楽しい。
さすが伊坂幸太郎。普通に面白かったです(←褒め方が変ですね…(^_^;))
とりあえず、ニーチェと野球とネコの好きな方におすすめです。