定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】熟れた月

23/04/26_読破。宇佐美まこと/著
癌で余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博。底辺で生きる人間達の業と、人生の不思議な縁を描く、書下ろし長編ミステリー。


同じ高校の陸上部の先輩・阿久津に憧れる結。結は左耳が不自由な為、読心術を学び、バイトの際にそれを役立てていた。ある日、結のバイト先のファミレスによく訪れる女性客が
青い顔をしてやって来る。女性が店を出る際に落としたハンカチを見つけ、呼び止めると
女性は阿久津の母親で、結に息子に伝えてほしい、と謎の言葉を残す。
先輩にその言葉を伝えようとする結だが、事故に会い帰らぬ人に………。


数年後。
ヤミ金業社_田所リースの女社長・マキ子は癌で余命宣告され、自分が長くない事を知る。
偶に訪れる公園には、いつも車椅子の障害者の男がいた。ある日、マキ子は何故かその男に
自分の身の上を語りだす。
” 自分が子供の頃、母親が金に取り憑かれ、遊んだ生活を送っていた事。
  バブルがはじけ、自殺した元旦那の事。そんな連中に嫌気が差し、
  自分だけは『金に操られる側でなく、金を操る側の人間』になる為、
  闇金社長の愛人になり、社長亡き後、闇金を引き継ぎ今までやって来た事 ”
車椅子の男は首から下が麻痺しており、動かせるのは右手の指のみだった。マキ子が
己の半生を語った後、言葉を話せないと思っていた男が今度は自分の人生を語り出した。
一方、田所リースに拾われ、借金回収を行う乾も己の半生を後悔している最中だったが、
もうすぐ死ぬかもしれない社長に言われたおまじないの言葉が彼を過去へ誘う…。


大分終盤まで、結と阿久津の話はどうなったんだろう?とか、マキ子さんの人生とか
どこがどこと絡んでいるんだろう…と、頭とっ散らかりながら読み進めていくと、
終盤で複雑に絡み合った人間関係が一気に集約されます。もう、集約しすぎて
頭こんがらがるくらい(^o^;
とりあえず、世間はセマイよ、皆つながってんだよ!って話かな(違うか)