定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ウズタマ

23/04/25_読破。額賀澪/著
シングルマザーの紫織と付き合う松宮周作は、結婚を目前にしたある日、父親から預金通帳を手渡される。父親の様子から、今までまったく知り得なかった人物が自分の為に通帳に金を振り込んでいた事に気づいたが、親戚とも疎遠な周作には全く心当たりがない。謎を知る唯一の人物である父親は、通帳を渡してすぐ脳梗塞で倒れてしまい、昏睡状態となってしまった。自分宛に金を振り込んでいた人物が誰かを突き止めようと探るうちに、次々と暴かれる父親と自分の過去。そして、自分達親子が、25年前に起こった傷害致死事件の被害者家族だと判明する。被害者は、自分の母。そして、その加害者は、18歳の少年だった……。


周作が中心の現代パートと周作の父親の将彦が綴る過去のパートが交互に描かれる本。
●周作パート●
食品メーカーに勤める松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織と近々結婚する予定だが、紫織の娘と一緒に居てもしっくりと来ない為、漠然と結婚に対し、不安を抱えていた。
そんなある日、周作は父の将彦から周作名義の預金通帳を手渡され『そのお金を振り込んでくれた人物に恥ずかしくない使い方をしなさい』と言われるが、振込主に心当たりはない。将彦に聞いても答えてはくれず、半月後、将彦は脳梗塞で倒れて昏睡状態となる。
真相を探ろうにも、幼い頃に母親を亡くし親戚づきあいもない周作には、全く心当たりがない。果たして、自分のために、毎月少しずつ振り込み続けてくれたのは誰なのか……。
通帳の謎を探るに連れ、初めて、父親の事や自分自身の生い立ち、母親の顔すらも知らない事に気づき、周作は愕然とする。そして、父親と自分の過去を探り始めて辿り着いたのは、25年前に起こった傷害致死事件だった。被害者は、病気で亡くなったと聞かされていた周作の母。そして、加害者は当時、松宮家で家事手伝いをしていた18歳の少年だと知る。加害者である皆瀬を捜し始めた周作は、25年前の事件に隠された真相に徐々に近づいていく。
●将彦パート●
3歳のちょっと扱いづらい息子を置いて、実家の両親の介護の為に妻が実家に帰ってしまい、疲労困憊で途方に暮れる将彦。ある日、周作にせがまれてプールに行くが、ちょっと目を離したすきに周作は父と逸れ、迷子として保護された先で監視員のアルバイトをしていた大学生の青年_皆瀬と出会う。児童養護施設で育った皆瀬は、子供の扱いが得意ですぐに周作に懐かれる。数時間後に迷子を探しにやって来た将彦と皆瀬はそれからも偶然のはからいで、あちこちでばったり会う様になる。ある数回目のばったりの日、周作を構ってくれているお礼に、と将彦は皆瀬を家での食事に誘う。会う度会う度やつれていく将彦の生活実態を聞いた皆瀬は、松宮家の家事手伝いをするようになる。母親は相変わらず不在で、偶に帰ってきては将彦と喧嘩して帰っていく状態で、皆瀬も松宮家の妻とは鉢合わせしないように気を使っていた。
だが、ある日皆瀬がうっかり玄関先に出ると松宮家の妻がそこにいて押し問答になり……。



いいお話でした…(人死んでるけどもな) 
というか、皆瀬さんが物凄くいい人だった。
何故赤の他人の子供の為にソコまで…というお話。
むしろ読んでいる最中、将彦と皆瀬さんがデキちゃって、嫉妬した母親と揉めたのでは?と勘ぐるぐらいに、見事に幼い周作のお母さん(お兄さん?)していて、読んでてほのぼのしました。仕事で忙しい将彦の代わりに、周作の看病したり、御飯作ってあげたり…。
あ、しかし、私のあらすじの書き方がアレだけど、松宮さんちの奥方も悪い人ではないのです。ちょっと成長?が遅い周作をワンオペ育児で育てていて、旦那は愚痴すら聞いてくれず、育児ノイローゼ気味だったのです。
となると、一番悪いの将彦じゃね?とか思っちゃうけど、どうなんでしょうね。
読む人の立場で感じ方も違うのかも。


今、今更『ウズタマってなんだろう』と思った。今度はちゃんと意味がわかりましたよ!(^o^;)