定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】雪と心臓

23/04/23_読破。生馬直樹/著
クリスマスの夜に偶然火事の現場に遭遇した男。男は燃え盛る家の中へ飛び込み、10歳の少女を救出した。しかし男は、少女を母親に渡さずに車に乗せてそのまま逃走してしまう。男の名前は里居勇帆。一体彼にどんな過去があり、少女の誘拐に至ったのか…。


里居勇帆は帆名という二卵性の双子の姉を持ち、日本海から自転車で2時間程度離れた閑静な町で育つ。父親は市役所勤め、母親は物静かで世間知らずな専業主婦という至って普通の家族。姉の帆名は気が強く、全てに優秀で一匹狼タイプ。自分の意志は絶対に曲げず、自分より年上にも立ち向かっていくタイプの少女。勇帆は小学生の頃から運動も勉強も姉の帆名には何一つ勝るものがなく、帆名に対し苦手意識を持っていた。
そんな小学生時代、二人の両親は離婚の危機に至る。母が浮気をしていた事が父にバレ、離婚を言い出していたからだ。
世間体を気にする父母は、二人が成人する迄は夫婦として暮らすと宣言し、高校進学について、勇帆に意見する。そんな状態の両親の、その口から勇帆の高校進学の事を言われ、反発した勇帆は父親が進めた進学校のA高校ではなく滑り止めポジションのB高校へ進む。優秀な帆名はA高校へ。


さて、高校生になっても相変わらずパッとしない勇帆は、アルバイトをしたり女子生徒とデートをしたり、平凡な日々を過ごし、姉の帆名は高校でも単独行動を好み、家でも蛇の図鑑を読み、希少種を集めたりという高校生活を過ごした。
二人が高校卒業してしまえば、両親も離婚を我慢する必要もなく、宣言通り離婚が決定。帆名は家族の『さよなら会』を企画する。『さよなら会』で使用する物を買い出しに行った帆名の帰りが遅く、勇帆は迎えに行く。そんな二人が合流した時、大きな地震が起こる。二人は自宅へ急いで戻ると、家は父の喫煙の不始末で火に包まれていた。両親を助けるべく、火に包まれる家に飛び込んだ二人だが、父は既に死亡。母は床板に足を挟まれて、助け出せない。二人は家から脱出を試みるも、出入口は瓦礫で覆われ塞がっていた。瓦礫に体当たりをした帆名はそのまま下敷きとなる。僅かな隙間から外に逃れた勇帆は助るが、大量の煙を吸い込んだ為、記憶障害を負う。


それから8年後のクリスマス。一人でドライブをしていた際、勇帆は火災現場に遭遇する。
勇帆は火の手の上がる家からその家の娘を救出するが、救い出してきた少女をそのまま自分の車に乗せ、走り去ってしまう…。


何故勇帆が少女を連れ去ったのかは、最後の最後に判明するのですが、まあ、母親も驚くわな…(^_^;)オチとしては、少女も勇帆も無事なのでヨカッタヨカッタなのですが、小学校から高校卒業までの描写がなんというか長い長い……。たんたんと、ダラダラ生活が続くので、ちょっと途中『この話の趣旨ってなんだっけ?』って忘れかけてたよ…。
冒頭の少女誘拐から、謎の究明まで『あ~こんな時代だったな~(安室奈美恵とかストゼロとかね)』とのんびり読む本。
同年代の人は、思わずニヤリとするエピソードがチラホラあります。