定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】入らずの森

23/04/22_読破。宇佐美まこと/著
陰惨な歴史が残る四国山中の集落、尾峨にある中学校に赴任した教師の金沢。新たに彼の教え子として転校してきた杏奈。そして、疎外感に苛まれるIターン就農者の松岡。 一見、無関係な三人だが、彼等が平家の落人伝説が残る不入森で交錯した時、地の底で何かが蠢き始めた。


高知との県境にある愛媛の尾峨(おが)の地は、平家の落人が築いた隠れ里と言われていた。その尾峨に余所からやって来て住み着いた3人。
 金沢圭介は、尾峨にある尾峨中学校に東京から赴任して来る。圭介の受け持ちは3年生、8人。尾峨中学校は全校生徒22人で、来年廃校が決定している学校だった。
 そんな圭介が受け持つクラスに転校してきた、金髪の少女・吉田杏奈。彼女は、子供の頃から顧みない親に反発し、祖母の暮らすこの尾峨へと逃げてきた所であった。校則にも従わない彼女に、圭介は距離を置いていた。
 松岡隆夫は、広島から尾峨の地に移り住み、農業に勤しむ。しかし、元々要領の悪い隆夫は、他人の気持ちや空気の流れを読むことが苦手で、その事から地域に上手く溶け込めず、疎外感を募らせており、田舎において派手な金髪を靡かせている杏奈を、苦々しい気持ちで見ていた。


来年廃校が決まっている尾峨中学校。記念に何かを各学年で行おう、という企画が立ち上がり、杏奈等3年生は、校歌の歴史について発表する事に決定する。校歌について色々と調べていくうちに、今は歌われていない校歌の3番がある事や、尾峨には過去に陰惨な事件が定期的に起こっていて、前の校長先生も過失で人を殺してしまった事等が次々と判明する…。
 そんなある日、3学年が山中散策(授業の一環)している際に、変な物に遭遇する。
『それ』は赤くどろどろした巨大な物体で、自分の意志で動いているようだった…。
生徒の祥太は『それ』を『粘菌』だと言うが、圭介はその物体に恐れを抱く…。


この本、色々設定伏線が細かすぎて説明がし辛いです。多分ホラー系ミステリ?途中、杏奈のおばあちゃんちに出現する座敷わらしみたいな少女とか、杏奈ちゃんがおばあちゃんと山にキノコ採りに行った先で、何かがうごめいてる描写とか、もうすべて伏線。最後の最後で、ああ、そうだったんだ!となる、ホラー30%、ミステリ70%位のお話。面白いですよ!


個人的に、松岡さんが可愛そうな人なんですけど、誰もこのキャラクタには同情しないのね…(´・ω・`)ってオチ。