定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ホイッスル

23/04/20_読破。藤岡陽子/著
長年連れ添った夫が突然失踪。知らぬ間に家も売却されていた。68歳にして、何もかも突然失った園原聡子は、戸惑い絶望の淵に立つ。しかし、周囲の人達の支えにより、新たな生活に向かって歩み出す。娘や姪の支えから、夫の不倫相手・沼田和恵と法廷で対峙する事にするが…。


園原聡子は68歳。結婚してからずっと専業主婦。娘も姪も手を離れ(姪は弟夫婦の妻が、早くに先立ってしまった為、半分母親代わり)このまま夫とのんびりした老後を過ごすと思っていた…。
そんな矢先、聡子の夫、章74歳が失踪してしまう。更に、住んでいた家は売却され、家探しした所、離婚届と夫の日記が見つかる。日記から想定するに、章は以前入院した病院の看護婦と浮気をしていたらしく、女の元へ走ったらしい。
聡子は娘の香織や姪の優子の勧めで、章の浮気相手である沼田和恵に対し、裁判を起こす。
一向に浮気していた事実を認めず、のらりくらりと章から金をむしり取る和恵。
完全に色ボケしている章は、和恵を庇い、裁判をやめるように聡子に言いに来る始末。


一方、章の浮気相手の沼田和恵は、夫・長男・次男の4人家族だが、生活は和恵が稼いだお金で成り立っており、夫は結婚した当初から家の家賃しか払わず浮気を繰り返す。そんな父親を見て育った息子達も、母親を大切だとは思ってない。長男は大学を出て働かず、母親から金をむしり取るだけの存在。次男は高校生だが、然程他の男達と変わらない。
和恵の稼ぎは殆ど家族に搾取され、手元には残らない。そんな和恵にとって、章は最高の金づるだった。
章を手玉に取り、最終的に家を売却した2000万をむしり取った和恵だったが、家に隠していた2000万は、夫に盗まれ、使われてしまった挙げ句、浮気を理由に離婚を申し出られる。


中々考えさせられるお話でした。
主人公の園原聡子は68歳にして何もかも失って、安アパートに移り、清掃会社に勤め始めるのですが、そこでどんどん世界を知って成長していきます。方や旦那の方は、騙されているとも知らず、どんどん和恵にのめり込んでいきます。
和恵の生活も、大金を手に入れて人生が変わる!と思いきや転落人生です。お天道様は見ているんだよ!としか言いようのない、模範的なお話。だけど、この本に出てくる男達のなんと醜悪なことか…(^o^;)
聡子がお世話になる芳川弁護士さんの友人も、アホで、子供三人いるけど若い女と人生やり直したいから、上手く離婚する方法を教えてくれ、ですって。ほんと、最低です_| ̄|○


聡子さんがどんどん強く明るくなっていく様に、励まされる一冊です。