定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】山亭ミアキス


23/04/16_読破。古内一絵/著
心に悩みを抱える人が迷い込む、森の中の不思議な宿『山亭ミアキス』。だが、泊まった者は間違いなく酷い目に遭わされる。人をたぶらかす、謎めいた従業員達の正体と目的とは……?


アイドルグループのスキャンダル処理を押し付けられた女性マネージャー。
同棲相手から妊娠を告げられて逃げ出したヒモ男。
勉強・美容・仕事と全てに努力してきたが、全てが上手く行かなくなり行き詰まった、
(自称)リマーカブルウーマン。
監督からの恫喝・猛暑の練習・深夜の作戦会議、そんなブラック部活に疲弊した
アメフト部主将。
貢いだホストの子を妊娠した挙げ句、男から逃げられ、仕事を解雇され途方に暮れる女性。
そんな、心に迷いを持つ人々が辿り着いた先は『山亭』だった。
客たちは、各々『山亭』で、5歳位の少女と出会い、何かを思う。しかし、少女とあったことは夢かもしれないと考える。
そしてふいに、その少女が実親の車両放置による熱中症で命を落とした事を思い出す……。


『山亭』には美貌のオーナー。やる気がないちょっと小太りな受付。馴れ馴れしい新米ボーイ。長身で白髪、オッドアイのシェフという変わった従業員達がいて、もてなしは十分。しかし、一泊すると彼等は等価を払えと客に迫る。


猫をモチーフとしたおとぎ話的な?
『山亭』に泊まった悩める人達は、大抵命からがら山亭から逃げ出して、もう一度、人生をやり直す的なお話ですが大分ブラックです。でも、努力してきた人には最終的に成功が訪れるし、逃げてるものが現実を突きつけられる。そこがおとぎ話みたいにちゃんとオチが付けてあって良かった。
個人的に、シェフのパンガーさんの作るアイルランド料理の描写が、物凄く美味しそうで、私もひどい目にあっても良いから『山亭』に泊まってみたい(^o^;