定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ぐるぐる猿と歌う鳥

23/04/11_読破。加納朋子/著
5年生に進級する春、北九州の社宅へ引っ越した森(シン)。東京ではいじめっ子の乱暴者というレッテルをはられ嫌われ者だったが、引っ越し先の社宅の子供達は森を受け入れてくれた。でもこの社宅には何か秘密があるようで…。


父の転勤で北九州に引っ越してきた高見森は幼い頃から『何を仕出かすかわからない乱暴者』というレッテルを貼られ、友達は皆無だった。
だが、森には秘密の友達がいた。いつも行く公園に面しているアパートのベランダに居る女の子『あや』あやは何故かいつもベランダにいて、森を見るとベランダから抜け出して一緒に遊んだ。
ある日、二人で遊んでいると、知らないおじさんが森を連れて行こうとした。必死に抵抗する森だが、大人の力にはかなわない。あわや、という所であやが大声を上げて人を呼んでくれて助かった森だったが、後日あやがいるアパートに行くと、あやの姿はなく、アパートの住人に尋ねても『そんな女の子はここには住んでいない』という話だった。


時は流れて小学5年生になる春、森は父親の転勤に伴い、北九州へ引っ越してきた。森は徐々に社宅に住む、気の弱い男の子『ココちゃん』や竹本5兄弟、可愛いけれど気の強い『十時あや』などの小学生たちと仲良くなっていく。そんな中、森は『パック』と呼ばれている不思議な少年と友達になる。パックは何処に住んでいるかも不明で、学校にも通っていない、自由な存在だった。
ある日、中学生の勝に呼び止められ、森は『パック』の事を任される。『パック』はどういう存在なのか。そして、幼い頃に遊んでいた『あや』の正体とは……。


児童向けらしいのですが、大人でも楽しめます。
『パック』は何処にも属さず、社宅の小学生の『特別』です。読んでいると、名前故に(しかも児童向けだし)妖精かなんか?と勘ぐっていたのですが、オチは至って現実的な話でした。(しかも、児童文学故にパックの身の上放置(^o^;)
ただ、子供の頃に一緒に遊んでいた『あや』が実は…。というラストは、想像していなかったので驚きました!ベランダにいる理由も、虐待ではなかったのでホッとしたし(いや、全く関係ない訳ではないけど)
これはこれで、数冊ぶりにほっと出来た本でした(パックの件は置いといて)