定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】消えない月

23/04/12_読破。畑野智美/著
出版社に勤務する松原とマッサージ師のさくらは、松原のアプローチにより付き合いはじめるが、すぐに別れる事に。それでこの恋愛は終わりの筈だったのに。加害者と被害者側の視点両方から『ストーカー』を描いた衝撃作。


マッサージ師になって2年目のさくらは、同僚から『彼氏を作れば?』と言われる。彼女の付近にいる男性といえば、彼女の顧客で出版社勤務の松原か、同僚でマッサージ師の池田の二択。そんなさくらの誕生日の日、偶然マッサージを受けに来た松原に、うっかり自分の誕生日だと話してしまう。次の日来訪した松原は、彼女に薔薇のプリザーブドフラワーをプレゼントする。それをきっかけに二人は交際を始めるが、束縛が激しく、自分の言う事を聞かないと怒る松原に対し、疲弊したさくらは松原に別れを告げる。
納得の行かない松原の行動は、さくらを取り戻そうとして次第にエスカレートしていく。どんどん気持ちが離れていくさくらに腹を立てた松原は、口コミサイトで彼女の務める整体院の口コミに彼女の裸の画像をアップし『客を誘惑してポイ捨てする施術師』と批判を書き込む。その口コミによって、さくらの務める整体院の客足は遠のき、さくらは整体院を解雇される。仕事を追われ、家に閉じこもるさくらだが、松原は追及の手を緩めない。合鍵を使って彼女の動向を探り、どこまでも追ってくる。
一人でいることに限界を感じたさくらは長野の実家に戻るが、そこにも松原がやって来た為、叔父の元に引っ越し、叔父の経営する整体の中仕事を手伝うようになるが、不安が拭えない。『自分がいると、自分の周りにいる人達にも害があるかもしれない』と考えたさくらは、松原によりを戻すと宣言する。
しかし、とうとう彼女の心が悲鳴を上げ、池田と池田の友人、弟の協力を得て新天地の静岡に引っ越し、新生活を送ろうとするが……。


3月末に読んだ『罪のあとさき』のヒロインも交際相手ストーカーでしたが、この本はもうずっとストーカー(笑)
なんか、松原氏の考え方が、読んでいて怖いし気持ち悪いし、大変。ストーカーの人って、こういう考え方するんだな~と別の意味で感心しました。なんせ、別れようと言われた原因が全く理解できていないし、そもそも『別れよう』が理解できていない(^o^;
読むと、彼の家に問題があって、人生の要所要所で悲しい人生を送ってきていて、寂しいのは解るけど、その穴埋めが、彼曰く『出会ったのは運命』であるさくら。どうしても、彼女を手放したくないから、仕事もせず、無断欠勤したりして彼女につきまとう……。マジ、ストーカー怖い。
そして、ヒロインのさくらもだいぶ問題があって、はっきり物事が言えない。否定されれば黙るし(まあ、多分反論したら殴られるだけでしょうけども)、何されても『ちゃんとしてない私が悪い』と受け止めてしまう。
こんな二人が出会ったら、そりゃー事件は起こるわなあ、という感じでした。


私なんぞ、人生半分以上終わってる身なんでアレですけど、まだまだピチピチの娘には、変な男に引っかからないよう気をつけて欲しいと思う親心でした。