定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】空にピース

23/04/10_読破。藤岡陽子/著
公立小学校の教師になって五年目のひかりは、都内の赴任先の学級に衝撃を受けていた。
日本語が話せないベトナム国籍のグエン・ティ・ロン、授業中に教室を出て行く今田真亜紅、不登校気味で給食だけ食べに来る佐内大河、クラス分けに抗議をしにくる児童の母親…。ひかりの前任者は鬱で休職中で、同僚教師からは『この学校ではなにもしないこと』と釘をさされてしまう。その言葉に納得の行かないひかりは、前向きに一人ひとりの児童と向き合おうとする。


水柄地区の小学校に赴任してきたひかりは、赴任早々にも関わらず、いきなり六年生の学級の担任とされる。ひかりが受け持つ六年二組には、授業中に教室を出て行ってしまう今田真亜紅や給食だけを食べに登校してくる佐内大河、日本に来て1年弱で日本語が得意ではないベトナム国籍のグエン・ティ・ロンなど、問題のある児童が山積みだった。ひかりは持ち前の根性で児童一人一人と向き合う。
今田真亜紅の家は、シングルマザーでフィリピン人の母と姉と彼の三人家族だが、母親は真亜紅の事を嫌い、世話はほぼ姉が行っていた。真亜紅に疾患があるのではと感じたひかりは真亜紅を専門医に見せようとするが、母親の協力が得られない為、上手く行かない。そんな折、真亜紅は母親の現彼氏から暴力を受け、姉と児童養護施設に避難することに。
佐内大河の家は、同じくシングルマザーで祖父と母と大河の3人家族だが、母は別居している為、アル中の祖父と二人暮らしで、大河は日常の食事にすらありつけていない。
ベトナム人のグエン・ティ・ロンは、父母こそ健在で、本人が真面目で良い子であるのに、日本語の学習援助が行き渡っておらず、日本語を書けても読む事が出来ず、苦しんでいた。
そんなある日、ひかりが赴任する3年も前に水柄小学校にいた教師が死体で見つかる。そして、その教師の部屋を捜索した所、児童ポルノ関連の物が出てきたというーーー。
殺害された教師の謎。苦しい状況に置かれる子供達。
ひかるは子供達の将来に希望を見出すことが出来るのか…。


前回読んだ本があまりに暗く、この本はタイトルが明るかったので、選んだのですが……。
これまた重い(・_・;)
虐待、ネグレクト、貧困。子供達にはなんの罪もないのに、生まれてきた場所によって将来が見いだせない。実際にある話なのでしょうが、読んでいて暗澹たる気持ちになります。


個人的に、佐内君が、ひかりにインスタントラーメンの作り方を教わり、日常的に飢える事がなくなった場面では、ちょっとだけホッとしました。


親ガチャって言葉、こういう本読むと重くのしかかってきますね…