定年まであと何年?

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【読書感想】僕はお父さんを訴えます

23/04/06_読破。友井羊/著
何者かによる動物虐待で愛犬_リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」から実父に疑念を持った光一は、司法浪人の友人に教わり、実父を民事裁判で訴えることを決意する。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引きずり出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる。


中学1年生の向井光一は、数年前に母を亡くし、父と愛犬リクと暮らしていた。
ある日、同級生の原村沙紗から『リクくんが大変』と連れて行かれた先には、何者かに殴られ、虫の息となったリクが横たわっていた。リクを獣医に連れていくも、リクは息を引き取った。『犯人を探そう』という沙紗の言葉を一度は聞き流した光一だったが、沙紗がリクの倒れていた場所で見つけた『ある証拠』を見て、犯人を相手に訴訟を起こす決意をする。訴える相手=犯人とは、光一の父_向井克己だった。
未成年ゆえ一人では裁判を起こせない光一は、現在離婚裁判中の義母、真季に訴訟の代理人になってくれるよう依頼する。裁判が始まれば当然、父親と一緒に暮らせないため、そのまま真季の家に世話になる光一だったが、父親は真季へ(というより光一へ)脅すような電話を掛けてくる。裁判は順当に進むが、父親はリクへの虐待を認めない。
やがて、光一は法廷である告白を始めるが…。


法律上ではペットの扱いは『動産』。いわゆるモノ扱いです。
よって、民事裁判と刑事裁判では、事件の扱い方が違います。
刑事では、器物損壊罪。民事では不法行為に基づく損害賠償請求。
主人公の光一くんは『大切なリクを物として扱うのは悔しい』為、民事裁判を起こします。
然し、物語のラストでは、リクに暴力を振るった真犯人が語られます。
これが、あーーやっぱりな、と序盤から感じていた嫌な感じと繋がり、一気に結末へ進むのですが……。


嫌な話です。光一くんも可愛そうですが、最も救われないのはリクなので、犬好きさんはあまり読まないほうが良いかも…な本です。