定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】インフルエンス

23/04/05_読破。近藤史恵/著
大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨。同じ団地に住む友達の里子が、家族内で性虐待を受けていた事を知って衝撃を受ける。里子を助けられなかったという自責の念を胸に抱えたまま中学生になった友梨は、都会的で美しい真帆と友だちになるが、ある日、真帆を守ろうとして、男を刺してしまう。しかし、後日警察に連れて行かれたのは、何故か里子だった。殺人事件・スクールカースト・子育て・孤独と希望・繋がり。
お互いの関係を必死に隠して大人になった3人の女達が過ごした20年と、入り組んだ秘密の関係の果てに彼女達を待つものは何だったのか……。


小学二年生の友梨は同じ南団地に住む里子と仲良しで毎日の様に一緒に遊んでいた。里子の家は母親と弟と祖父の4人暮らし。ある日、別に暮らす祖父が友梨の家を訪ねていた際、里子と話をすると、里子は『女の子はおじいちゃんと寝なきゃいけない』と話す。話に嫌なものを感じた友梨の祖父は、友梨の両親とも相談するが、結果は『他人の家に口出しは出来ない』=放置する、事だった。当然、友梨は母親から『里子ちゃんとはあまり遊ぶな』とだけ申し付けられ、段々と疎遠になる。
年が高じ、学校で性教育を学んだ際、ふいに友梨は理解してしまうが、時すでに遅し、里子は友梨とは全く違うグループと付き合うようになっていた。子供ながらに良心の呵責を感じながら、友梨は中学生になり、新しく転校してきた真帆と親友になる。ある日、夕方遅くに真帆との帰り道、真帆が黒い車に乗った男に攫われそうになるのを見た友梨は、男に立ち向かい、男の持っていた刃物で男を刺し、そのまま逃げてしまう。翌日、登校すると、里子が男を刺殺した罪で、警察に捕まっていた。そのまま、里子が罪をかぶる形となり、友梨は高校生になるが、真帆は神戸の私立女子高へ、友梨は地元の進学校へ通いはじめ、二人の仲は段々と疎遠になっていく。
そんなある日、友梨は出所してきた里子から、里子の祖父を殺して欲しいと頼まれる。里子を救えなかった事を悔やんでいた友梨は、嫌々ながら引き受けるが、実際に実行に移したのは真帆だった…。


といったような、誰かのために誰かが人を殺し…というのが大人になってもループする、不穏な話です(^^ゞ 最終的に、なぜ里子は友梨を庇ったのか。何故真帆は友梨の代わりに里子の祖父を殺害したのか。真帆の告白によって、里子の祖父殺害の心境は明らかになるのですが、なんだかなぁ~(*_*)
とりあえず、女の子(←思春期よ?)の友情って、時に恋愛よりも重いものになったりするのね、というお話?
とりあえず、私は友達に依頼されたからって、人殺せないわ……_| ̄|○