定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】心心

23/04/02_読破。石田衣良/著
専門学校の声優科に入学した石森陽児は、上海から来たアニメ好きの少女_陽心心と出会う。ひたむきに夢を追う彼女に惹かれた陽児は、ある日、同じく声優科に通う幼なじみの悪ふざけで、帰宅する心心の後をつけるとそこには…。


『東京編』と『上海偏』の二篇構成のお話。
『東京編』では、声優専門学校に入学した石森陽児が、入学式で陽心心(ようしんしん)と知り合う。ふたりは、お調子者の手塚浩平(幼なじみ)、元高校球児の藤子健太郎、モデルの大島遥、ナレーター希望の萩尾真琴の6人でC組三班に班分けされる。6人が声優を目指して切磋琢磨していく青春ストーリーが描かれる。ある日、浩平の悪ふざけで帰宅途中の心心の後をつけた陽児だったが、その際、心心は築年数の古いボロアパートに住んでいるが、実は上海のスマホメーカーの創業者の娘である事を知ってしまい、なし崩し的に、日本での心心のボディガードになる事を、心心の父親の側近から頼まれる。


『上海編』では、心心と陽児が、心心が持つスマホメーカーの2割弱の株式を巡って、会社の行末を巡る騒動に巻き込まれる。社長である心心の父親と副社長である心心の叔父は、会社の行末を巡って争っていた。
父は、根っからの技術屋で、自社スマホの高級ブランド路線を貫く方針、叔父は根っからの商人肌で、格安スマホへの規模拡大を図りたい、そんな二人の会社の経営方針を巡る争いで会社の内部が二分され、会社経営の岐路に立っていた。そこで、会社の自社株を2割弱も相続している心心の意見が物を言う為、叔父は裏で手を回し、心心の仲良くするC組三班のメンバーを、上海での声優デビューという餌をチラつかせ、言葉巧みに陽児と心心他の4人を丸め込む。次の株主総会で重大な決断をしなければならない心心。陽児は相談役として心心と共に上海へ行く。しかし叔父は自分に有利に投票するよう、他4人を上海へおびき寄せ、軟禁状態にして心心を脅かしてきた。大きな陰謀とプレッシャーに心心は悩むのだが……。


声優を目指す若者の青春ストーリーかと思いきや、なんか、途中から陰謀あふれるドキドキお家騒動モノになってもうた……。
個人的には『東京編』で、みんなで和気あいあいしながら、声優を目指してる所が読んでて、若くて良いな~とか、ほんわかしてたのだけど、それだけじゃお話にインパクトがないから途中で路線変更になったのかしら…?(゜o゜;
という位に、石田さんの意図が読めず困惑してます。
『上海偏』が最初から書きたかったなら、長くてゆるい『東京編』いらなかったんじゃ?


ぬるい青春物が好きな人と、海外でハラハラドキドキお家騒動物が好きな人、両方向け?
がしかし、どっちも中途半端なので、一応注意喚起だけしておきますね(^_^;)