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【読書感想】サヨナラの前に、ギズモにさせてあげたい9のこと

23/03/27_読破。ベン・デイヴィス/著
愛犬ギズモが老い先短いことを知ったジョージは、ギズモにさせてあげたいことリストを作り実行していく。様々な困難を解決していく物語の面白さと、深刻な背景を持ちながらも魅力的なキャラクター達の愛しさにぐいぐいとひっぱられる、笑えて泣けるドタバタ感動ストーリー。


ある日、具合の悪そうな愛犬ギズモを獣医さんのもとに連れて行った13歳のジョージは、獣医からギズモも高齢なので、今後の事を覚悟しろと言われます。
ギズモを失いたくない反面、ギズモを幸せにしようと、ギズモが喜びそうな事を9つリストアップして実行に移していきます。
過去に起きた事件が元で、ジョージの両親は離婚し、今は母親とともに住んでいます。両親のゴタゴタのせいか、パニック障害を持病に持ち、子供の頃から親友と思っていたマットは思春期故に、ジョージを虐める側(イキっていたいお子様方)に行ってしまいます。孤独なジョージを慰めてくれる唯一の存在は、ジョージが生まれる前から側に居た、ミックス犬のギズモ。ギズモを昔両親とギズモと一緒に行った海へ連れていきたいジョージは、町内の雑種犬コンテストに参加し、優勝を狙うのですが…。


タイトルに釣られて借りてきてしまった、児童文学。
コンテストに出る為、潜入したペットしつけスクールで知り合ったリブは、ジョージよりも少しお姉さんですが、とても強くて優しい心を持っています。そんな彼女は、ヤングケアラーで、病気の母親と生活を一人で支えています。
ジョージは、父と母の離婚とその後の諍いに心を痛めており、更に親友だった子から虐められています。最終的にギズモは天に召されてしまうのですが、それまでの過程で、頼りなく、受動一方のジョージが少しづつ強くたくましく成長していく様子が、読んでいて心地いい本です。また、ギズモの愛らしさ・ジョージへの信頼も、読んでいて泣けるポイントです。


児童向けと侮るなかれ、読んでみて損はないです。