定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】霧のなかの子

23/03/13_読破。トリイ・ヘイデン/著
悪質な虚言癖のある少女の心の闇に取り組むトリイのもとに、町の有力者が幼い孫の問題を持ちこんだ。その少年の不可解な無言症の裏には、複雑な家族関係があった…。


教師を辞め、無言症の専門家として病院のセラピストの仕事についたトリイは、3人のケースに関わる事となった。9歳のカサンドラには現実の存在とは思えぬ妖精の様な雰囲気があった。虚ろな目つきをしたかと思うと、感情を爆発させて暴れ、その後何日間も無言を通す。最大の問題は、悪質な嘘をつく事。その嘘で、傷つきやすい他の子供や、大人をパニックに陥れる。そんなカサンドラの背景には、昔、実父に誘拐され、2年間行方知れずとなっていた過去があった。トリィは、父親との生活の中に何らかの原因が潜んでいると考え、プログラムを通じてカサンドラの心の中に入ろうとするが…。
そんな中、トリイは遠く離れた町の有力者から『4歳の孫のドレイクを話せる様にして欲しい』と強引な要求をつきつけられる。いつも大きなトラのぬいぐるみを抱えた活発で愛くるしいドレイクは、人とコミュニケーションをとりたがっている様なのだが、何故か母親以外とは決して話さない。
更に、老人科のソーシャル・ワーカーから懇願され、脳卒中で話せなくなった老女_ゲルダの様子も見る事となる。
やがてドレイクの母親から驚くべき事実を打ち明けられ、カサンドラにも意外な側面が見えて来るのだが…。


やはり重い…_| ̄|○
カサンドラの受けた虐待を読んで、もはや父親も叔父さんも全員死刑にして欲しいと思ってしもた…。なんで、小さな子を相手に(大人だったら良いというわけでもない!)性的虐待をする様なクズがこの世に存在するのか、本当に読んでいて嫌になります。
ドレイクの話も、名門の家に生まれ、権力の強い父に反抗できなくて鬱になっている夫を庇うために、息子が話せない事実を捻じ曲げる母親。確かに両方大事なのでしょうけど、人間って弱いものを守る本能があると思う。ので、旦那と別れても(いや、ドレイクの父、死ぬかもだけど)息子を優先すべきかと思う。
ゲルダの話については、解決すらしてない。なんか、子どもたちに理解してもらえなかった挙げ句老人ホーム送り。飼っていた猫十数匹は殺処分。酷すぎる。親子関係がどうあれ、対人間なのだからお互いに敬意を持って接し合ってほしい(いや、親と6~7年関係を絶っている自分が言うことじゃないけど、少なくとも死ぬまで自由にさせときますよ。人の害にならなきゃ)


トリィ・ヘイデンの本は読んでいるとクセになるのは何故だろう…