定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】星影さやかに

23/03/12_読破。古内一絵/著
非国民と呼ばれた父を恥じていた、軍国少年の息子に届いた遺品の日記。激動の昭和を生きた親子の記憶が紐解かれる-。宮城県古川を舞台に描く、三世代をつなぐ家族小説。


御姫様育ちながらも夫の失踪後、一人で旧家を支えた気丈な祖母。関東大震災の朝鮮人虐殺や学徒出陣等を目にして心を病み、戦争批判をして非国民として仕事を追われた父。その父を支え、横暴ともいえる祖母にきちんと応える母。非国民と言われる父を、子供の時分に少し疎んじながらも、今は平凡ながらも東京で生活する息子。東北の没落する旧家を舞台に、家族三代の姿を描いた作品。
何故、父親が『非国民』と罵られながら隠遁した生活をおくるようになってしまったのか。
自身が成長した後、父の残した日記を読み進め、父の心情に心を寄せる。


確かに、自分も親になって、昔親から言われた事がわかる瞬間ってありますもんね。
人間って、ある程度、相手と同程度の経験を積まないと、理解度は深まらないですもんね。


とりあえず、この小説の祖母の多嘉子さん。時代が時代なのに教養を積み、自立し、頼りないうえ他の女と出奔してしまった夫とその愛人の生活の世話の手配までし、旧家を長年支えて逝去(⇒息子が非国民とか言われて引きこもってしまったので、ずーーーっと、家を守る役目を継続…)
こんなに強い人に自分もなりたいと思います。