定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】イノセンス

23/03/05_読破。小林由香/著
中学二年生の時、不良に絡まれた音海星吾は、彼を助けようとして刺された大学生を見捨てて逃げてしまう。大学生は死亡し、星吾は世間から誹謗中傷を浴びた。時は流れ、星吾は大学入学。ほとぼりが冷めたと思っていた星吾の周囲で、不審な出来事が起こり始める。


主人公の音海星吾は、中学二年生(14歳)の時に三人組の不良に絡まれ、助けに入ってくれた大学生・氷室が目の前で刺されるも、助けを呼ばずに逃げてしまいます。後日、犯人も捕まり、警察に事情聴取を受けた際、『もしもあの時に星吾がすぐ助けを呼んでいれば、命が助かったかもしれない』という事実を聞かされます。更に、周囲の悪意によって、逃げた星吾の名前等が世間に拡散され、星吾と家族は不遇の状況に立たされます。時は過ぎ、星吾は大学生になります。人から距離を取り、大学でも基本ぼっちでいる星吾と親しくしようとするのは、バイト仲間の光輝や美術部の顧問、宇佐美先生だけでしたが、そんな二人との間に僅かに気づいた人間関係が、凝り固まった星吾の心に変化を与えていきます。そして、そんな中、氷室を殺害した犯人達が出所後に次々と死んでいき、更に星吾の身の回りでも、きな臭い匂いがしはじめます。
果たして、星吾を狙うのは何者なのか?星吾の心が救われるときはあるのか…。


……重すぎる。なんか、ホントに読んでいると苦しくなるお話でした。
14歳でいきなり不良にカツアゲ食らって、ボコられてるとこに、助けに入ってくれえた相手もボコられて、ナイフで刺されたら、そりゃ逃げるでしょうよ?いや、死んでしまった氷室さんのご家族並びに関係者も、見殺しにされた!って思うのも解るのですけど、問題なのは当事者以外が盛り上がって、彼らを断罪しようとする事。
最近の回転寿司の迷惑動画拡散後の騒ぎを彷彿させるのですが、まあ、当事者同士がやり合うのは利にかなっていると思うんですけど、一番騒いでるの、ただの野次馬じゃんね、ていうソコ!
関係のない人は、心の中で思うぶんには勝手ですが、くれぐれも『赤の他人を裁ける権利は自分にはない』っていうのを自覚しておかないといけないのでは?と思うのです。
おお、話がそれましたが、この本わりかし感動の?ラストがあるので、ちょいく読んでいると苦しいのですが、是非読んでみてほしい一冊です。