定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】家出ファミリー

23/03/04_読破。田村真菜/著
『日本一周するんだからね』 貧困と虐待が影を落とす家庭に育った10歳のわたしは、母と妹と三人で、行き先の定まらない野宿の旅に出た。自伝的ノンフィクションノベル。


主人公のサナのうちは、妹と母と父の4人家族。母は昼も夜もなく働き、疲弊している。父親は自称物書きだが、基本家で飲んだくれているだけで、稼ぎはない。サナの母親は、そんな生活の中でこっそり貯めた100万円をきっかけに、『日本一周をしよう』と言い出す。母は、女の子が野宿していると危険だから、と娘二人の頭をバリカンで刈り、三人で旅に出る。ご飯は基本コンビニなどで日持ちしそうな安いものを買い、夜は寝袋で野宿。旅は順調とは言い難いが進む。そして、ある日、仙台駅前で切符を購入してくるからここで待て、と母は妹を連れて姿を消す。そんな中で、困ったサナを助けてくれたのはホームレスのおじさんだったが、4日後に現れた母はおじさんを蔑むような態度を取る。怒ったサナは、その時初めて『うちって貧乏』だったんだ、と悟る。


なんか、すごい話でした。しかも、この本の作者さんの恐らくほぼ実体験。


サナの母親は、実家にも帰れず、サナを妊娠したから、父親と結婚してしまった(⇒結婚したことが間違い)、とサナを困窮した暮らしの言い訳として憎んでいるのですが、まあ世間でよく聞く話。
凄いのは、その後の『日本一周しよう』という発想ですよね。確かに働きもせず飲んだくれて家族に暴力振るうような男のもとに、幼い娘二人を置いていくのも不安ですが、そもそもの心の動きが『現実逃避』だとしたら、娘は連れて行かないような気がするし。
まあ、私の中では、この本の母親に対する感想は一択で、読み始めから『そんなアホな男と早く別れろ』だったんですけど。
とりあえず、自分の娘には、ゲスな男とは結婚してほしくないですね(^_^;)