定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】異邦の仔

23/02/21_読破。西川司/著
放送作家の立花遼一が電車を降りた直後、車両が爆発した。さらに数日後に起きた爆発事件の被害者は、彼が34年前にイラクで出会った日本人と同姓同名。もしや電車で命を狙われたのは遼一だったのか?謎を解く鍵は灼熱の地で起こった過去の出来事だった。


主人公の立花遼一はある日電車の爆発事件に巻き込まれる。使用されていた爆弾はC4で、外国人によるテロ攻撃の可能性が高いとされ、昔、知り合った刑事が接触してくる。狙われていたのは遼一だったのか?その後同じ様にC4で爆撃され、死亡した男は、遼一が過去に出会った男だった。
 実は遼一は、33年前に『1ヶ月100万円』という割のいい話を受け、3ヶ月間という約束でその頃親しくしていたバイト仲間を誘い、イラクに飛んでいた。外国での労働の中、劣悪な状況での労働で同僚共々疲弊していく遼一。イラクで働き始めてから2ヶ月程過ぎた頃、前置きも無く戦争が始まり、命からがら日本に帰れたのは遼一だけだった。犯人は、死んだ筈の二人のどちらかではないのか?そんな折、一人娘のマリアを誘拐したと遼一のもとに連絡が入る…。


どこまでがフィクションで、どこからノンフィクションなのかわかりませんが、イラクに行って戦争に巻き込まれ、二人の友人を亡くしたのは、著者の実体験だそうです。
1990年のイラクの状況。また、そこで他国から連れて来られ強制労働させられる外国人達の苦悩。勿論、短期間労働という約束で働きに行っていた日本人もそうなのですが、兎に角、日常生活すらが過酷。50℃を超える気温の中、ほぼ冷房は効かず、食べるものすら満足にない。周りは不衛生で、気を緩めると細菌で体がヤラれる…。


『うまい話には気をつけろ』とは良く言ったものです(^o^;)
そういえば、昔、某震災が起こった後に、時給3000円出すから、某発電所にバイトに行かないか?と誘われた事があったなあ、と思い出しました。
ミステリとしては面白いです。文章も読みやすいので、おすすめです。