定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】おいしくて泣くとき

23/02/19_読破。森沢明夫/著
貧困家庭の子どもたちに無料で『こども飯』を提供する『大衆食堂かざま』。その店のオーナーの息子、中学生の心也は、こども飯を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。


主人公の心也は、小学三年生のときにお母さんを病気でなくして、父ひとり子一人で育ちました。幼なじみの夕花は、顔立ちもよく成績も良いのですが、女子の妬みからクラスで孤立し(いじめられ?)ています。そんな彼女は貧困家庭に育ち、良く義理の弟の幸太と『かざま』に食べに来ます。夕花の家族構成は、義父と母、祖母と義弟の幸太。義父は全く働かず、酒を飲んで暴力を振るうクズです。祖母は数年前に足を悪くし、寝たきり状態です。母はそんな家族を養う為、昼と夜と仕事を掛け持ちして居るため、基本的に家のことは夕花がしなければなりません。幸太と祖母が居るため、劣悪な家庭環境から逃げ出すことも出来ず、苦しんでいます。
時を同じくして『かざま』にはもう一人の常連、石村くんがいます。彼も心也と同級生ですが、いつも取り巻きを引き連れ、喧嘩も強く、どちらかというと素行の良くない子です。
ある日、石村くんの机に飯も食えない『ビンボー』的な落書きが書かれていて、石村くんは心也が『こども飯』の事を人に言いふらしたのかと疑うのですが、心也には心当たりもなく、その後日には心也の机に『偽善者のムスコ』という落書きが残されます。心也は自分の机の落書きを消し、欠席していた石村くんの机の落書きも黙って消します。
話がまだまだ続くので、続きの気になる方は本作をお読みください。


読んでいる最中、夕花ちゃんもそうなんだけど、石村くんが気になって気になって仕方がない!最終的に成長した夕花ちゃんや幸太くん、心也くんは登場するのですが、石村くんがどうなったのかが出て来ない…_| ̄|○。
いいお話です。最後にホッとできます。個人的にはスキなお話。