定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】代表取締役アイドル

22/11/15_読破。小林泰三/著
握手会で起こった事件のせいで、アイドル活動が出来なくなったた河野ささら。
そんな彼女にある大企業からの社外取締役のオファーが来る。偶然テレビを見ていた社長が、ささらを気に入って、思いついた起用だった。オファーされた企業である『レトロフューチュリア株式会社』は、アンプ用の真空管や、ビデオテープ用の磁気ヘッドなど、古い規格の製品で儲けていたが、ある事から、レトロフューチュリア社製の真空管が量子ゲートとして作用することが発見され、これを使えば、今迄より安く、量子コンピュータが実現出来る事が明らかになり、一気に世界規模の大企業となった会社だった。
ささらが取締役になるや否や、『目指せ、世界一』『売上1兆円』という漠然とした非現実的な目標を掲げられた社員達は、到底成し得ない目標を達成する為、データ改竄や足の引っ張り合い等、煩悶懊悩する。しかし、そんな中データ改竄が発覚し、ささらはスケープゴートとして社長に任命されてしまう。
敏腕美人秘書とともに、ダメ会社の危機を救おうと、ささらは帆走するのであった。


面白かったです。創業者の会社であるという思い込みから、幹部及び社員達はアホなかいちょうとそのむすこのしゃちょうにいいなり。更に、昭和器質のパワハラ会社の為、『社長の言うことは絶対』がまかり通っている。がしかし、刮目せよ、諸君。そもそも、自社株の10%も保持していない創業者に権力など無い、と、アイドル上がりのささらちゃんに分かることすら、社長も会長も社員も気づいていない事に寒気を覚えましたね。
え~…。ここ、凄い大企業らしいんですけど。
ほんとに大企業でそんなにずさんな会社なんてあるのかな~、と不安になってしまう一冊でした。
あと、ささらちゃんが結局あまり活躍しないでなんとなく良いようにお話が終わってしまったのが残念。