定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】我らがパラダイス

22/10/09_読破。林真理子/著
高級介護付きマンションで働く3人の中年女性。それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える彼女達は、自分達と、裕福な入居者達との想像を絶する格差を前に、作を図るが。


兄嫁の逃亡により、まだらボケの父親を介護する羽目になった女性。ほぼ寝たきりの母親を抱え、駄目な弟にも期待できない女性。母親は元気だが、高級介護付きマンションの男性とイイ仲になった女性。立場は違えど、抱える不安と不満は一緒。
お金さえあれば、老後が悠々自適に過ごせる高級介護付きマンションに務め、そんな金持ち老人達を世話しているのに、自分の親は満足に面倒を見る余裕がない。思い余った3人は、キープしてある老人の部屋に自分の親を入れたり、寝たきりで意識のない老人と自分の親をすり替えたり、色々悪さをします(苦笑)本来なら犯罪ですが、すごくユーモラスで読みやすい本。


特にまだらボケの父親介護の女性のケース。生前遺産相続を理由に兄嫁が面倒を見てくれていたのですが、思い余って実家に逃走。兄は役に立たず、実家に通って介護していたのですが、体力的に無理がある為、自宅に引き取るのですが、旦那と娘(ついでに旦那の母親)が猛反発。全く手伝ってくれず、文句だけ言われる毎日。
なんですかね。結局、女が絶対に老人介護させられるのって。共働きで、介護までやらされたらたまったもんじゃない。


駄目な弟を持つ女性は、離婚して母親と暮らす実家に弟が転がり込んでくるも、介護は全く手伝わず、仕事もせずダラダラするだけ。途中、駄目弟はずるい年上女性に引っかかり、母親の面倒をみる代わりに、母親と一緒にその女性と暮らすので、姉を実家から追い出そうとする始末。
自分を振り返って、自分も弟も実家の財産(そんなもん無いけど)を期待しなくても、暮らしていけるだけまっとうだな、と
つくづく思いました。


何だか、自分の身につまされる話ですが、この本では暗くならず、全体的にユーモラスに描かれています。