【読書感想】勿忘草の咲く町で
23/09/25_読破。夏川草介/著。
松本市郊外の梓川病院で勤続3年目の看護師の美琴。風変わりな研修医・桂と、地域医療ならではの患者との関わりを通じ、悩みながら進む毎日。高齢者医療とは何か、生きる事と死んでいる事の差は何なのか?現代医療を問う小説。
月岡美琴は松本市郊外にある梓川病院に勤めて3年目の看護師。梓川病院は、地域医療の要となる小規模な病院で、当然の様に、患者の多くは高齢者が占めている。その中でも、 内科病棟は高齢者の介護施設の様な状態。
そんな梓川病院の内科に、外科での研修期間を終えた研修医の桂正太郎がやってくる。
常に寝癖をつけ、寝不足を絵に描いたような風貌で、実家が花屋なので花に関する知識を有する、つかみどころがないその研修医は、患者に対しては真摯に向き合い、ま。懸命に診療をこなしていた。
ある日、美琴は桂と共に膵癌を患っていた長坂さんを看取る。懸命に生きようと頑張っていた長坂さんを思い『神様というのは、ひどいものです』と静かに気持ちを吐露する桂。
その一方で、誤嚥性肺炎で入院する88歳の新村さんの生きる姿に希望を見出す。
患者の数だけ存在する、『生』と『死』の在り方に悩みながらも、自分たちの考える方向に
進んで行く2人。
現代における高齢者医療の現実を描く医療小説。
医療小説は結構苦手なのです。何故なら
自分も明日明日高齢者になるし、描かれる
親族の気持ちも、病身の方の気持ちも
わかるから。
個人的には、寝たきりで歩けなくなった
時点で、もう死にたいです。延命とか
いらないです。が、残される家族の側としては
そうはいかない、という心情もわかります。
こればかりは、その人その人の考え方です。
そんなわけで、やっぱり、高齢者医療を扱う
小説は、答えが明瞭でない分、読んでいて
もやもやして苦しいのです。
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