定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】オール・ノット


23/06/12_読破。柚木麻子/著

友達も恋人もなし。将来の希望なんてもっとなし。貧困に喘ぐ苦学生の真央が出会ったのは、

かつて栄華を誇った山戸家の生き残り、四葉だった。


親からの援助一切無しで大学に通う真央は、奨学金とバイトで生活費を捻出する為、暗い学生生活を送っていた。バイトはスーパーの棚卸し。ある時、真央のバイト先のスーパーに、試食販売に来ていた女性が目につくようになる。

その女性は『彼女が商品を売るときは、商品が動く』とスーパーの社員にも一目置かれる女性だった。

ひょんなことから、彼女・山戸四葉と親しくなり、交流を深める真央。四葉と親しくなるうちに真央の心は満たされていく。しかし、奨学金という借金や、実家の親との確執からやりきれなくなってしまった真央に、四葉は祖母が残した宝石箱を与え、これを売って足しにしてくれと望む。しかし、宝石箱は然程の金にならず、コロナ禍で試食販売が減ってしまった事や、四葉が電話などの連絡手段を全く持っていない事から、そのまま2人は疎遠になってしまう。

その後、就活前に四葉からもらった『オーダーメイドスーツの仕立て券』を使おうと訪れたテーラーで、四葉の高校時代の友人、実亜子と知り合う真央。四葉とは会えないまま、実亜子から、四葉の過去混じりに交流を深め、数年経つ。

真央は34歳。結婚を考える年となり、真央の職場には、自分の学生時代を彷彿させる、或いはその上を行く苦学生が溢れていた…。


四葉さんと真央の交流がほんわかしていて良い。多分、この本で触れたかったのは、自分より下のものが困窮していて、もし手助け出来る可能性があるなら、手助けする事。そして、その手助けによって、絶対に救われる、なんて事はない、て事なのかな?こんな、困窮した少年少女を救えない、社会にたいしての不満とか、何か色々と問題が詰まってたからかもしれんけど、私の中では『四葉さんが優しい』しか印象に残せなかった。残念な私の頭。小説自体は面白いですよ。