定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】HEROごっこ

23/05/17_読破。山下貴光/著
ある日、本間が大学で出会ったイケメンの成宮。ひょんな事から、彼の副業の車泥棒の
見張り役をするはめとなる。いよいよ標的のランボルギーニを盗もうと出陣した時、
車内には美少女が横たわっていた…。誘拐事件に巻き込まれてしまった二人は、
誘拐犯を捕まえようとするが……。


主人公の本間は高松から引っ越してきた大学一年生。
大学生活が始まったばかりなのに、母親から電話で両親が離婚するので、学費や
生活費はなんとかしろと言われ絶望する。
絶望の最中、大学の講義に出席すると、端正な顔立ちで物凄く真剣に講義を受ける
男子生徒・成宮がいた。悩む余り、藁にもすがりたい本間は成宮に話しかけ、
自分の身の上相談をしてしまう。話の流れで、バイトも決まらず金もなく困っている
事を話すと、成宮から『高額バイト』の話を持ちかけられる。
なんと、成宮は車泥棒をしてカネを稼いでおり、その見張り役をすれば、車を
売ったお金の半分をくれるという。断ろうとした本間だが、成宮の話術と脅迫
まがいの脅しに屈し、車泥棒の見張りを引き受ける事に。


泥棒実行の当日、連れ立ってランボルギーニを盗みに行く二人は、ランボルギーニの
助手席に縛られて横たわる高校生くらいの美少女を発見し、連れ帰ってきてしまう。
警察に行こうと勧める本間に、成宮は少女を助けてHEROになろう!と言い出す。
何故か、少女も成宮に逆らわず、親にも連絡せず、犯人確保に協力するという。
少女が監禁中に耳にした犯人と父親との身代金の受け渡し場所と時間を知った
成宮と本間は、当日、現場へ変装してでかけていくが………。



山下作品は、大抵皆で何かを成し遂げた!みたいな作品が多くて、読んでて楽しく
なる作品です。どうやらこれがデビュー作らしく、中々荒削りです
(でも、その後も『屋上ミサイル』とか、だんだん上達している気はする)
キャラ設定が絶妙で、読んでて笑えるのもヨシ
(実際に、成宮が側に居たら頭おかしくなりそうだけども)


青春時代のワクワク感が感じられる一冊。個人的には好きです。