定年まであと何年?

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【読書感想】一緒にお墓に入ろう

23/02/25_読破。江上剛/著
大手銀行の執行役員を務める大谷俊哉。実家の母が死ぬ沼際に、妻に墓を頼むと言い残した。生前母と折り合いの良くなかった妻は、『死後俊哉の実家の墓に入りたくない』と言い出す。クサクサした俊哉は愛人の麗子に『一緒の墓に入ってくれ』と勢いで言ってしまうが、妻も改心して一緒に墓を探すと言い出す。妻と愛人に挟まれ、俊哉の人生に暗雲が立ち込める。


主人公の大谷俊哉は62歳。そろそろ自分の務める銀行の頭取になりたいと執念を燃やす。妻は2歳年上の64歳だが、二人の子供もとうに手を離れ、夫婦の仲もそれなり。俊哉には以前同じ部署に努めていた部下で、今はクラブのママを務める年下の愛人がいた。そんな折、遠方に一人で住む俊哉の母が死に、実妹から49日まで面倒を見ろと母の遺骨を持ち帰らされる。帰路の新幹線の中で、俊哉は妻から『あなたの家の墓に一緒に入りたくない』と言われる。家にまっすぐ帰らず愛人宅に遺骨を持って寄った俊哉は、愛人が母の遺骨に礼を尽くすのを見て、ついつい『一緒に墓に入ろう』的なことを発言してしまい、愛人はその言葉を真に受け、墓を探し始めるが、その頃『霊園詐欺』が横行していて、愛人は詐欺に引っかかってしまう。更に妻は、改心し『田舎の墓には入りたくないが、墓には一緒に入っても良いので墓を探す』と言い出す。ふたりの女と終活に揉まれ、俊哉の順風満帆な人生に暗雲が立ち込める。


とりあえず、浮気は程々にしましょうね、というお話?この小説読んでると、基本銀行役員とかお金持ってると、若い女囲って豪遊して…が通常なのかな?と、いらないイメージが付いてしまいそうです。
しかも、この表紙、俊哉と愛人が表紙で、奥さんは表紙の裏にいるんですよ?!ちょっと腹立たしい作り。


後は『墓』について。私個人としては、子供が一人っ子なので(しかも家庭の事情で、旦那の方は墓参りしたこともなく、数年前から私の実家の墓参りも行かない。私個人は行ってますが)墓を背負わせるのは、重いかな、と考えております。そもそも私の父親方の墓が、市街地から来るまで時間ほど掛かる山の中にあり、墓掃除では水を麓からポリタンクで運ばないといけないような状況。まあ、私は嫁に出た身なので、実家の墓には入らないのですが、これもそろそろ外界に移すなり、墓じまいなりしたほうが良いのでは?という状況です。旦那も自分の親とあまり連絡を取っていないので、母親に対し『あの人死んだらどうすんだろうね(笑)』みたいなアホなことを行っている状況。この本を読んで、益々『墓』は必要ないな、というイメージが沸きました。いっその事、位牌をダイヤモンドに(いや、別に鉛筆の芯でもいいですよ。ホントに)して貰おうかしら?それとも散骨?と考えてしまいます。


この本はむしろ、女を蔑ろにしていると痛い目見るぞ!みたいなユーモアあふれる本となっているので、そっち方面で読みたい方にどうぞ。