定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】赤い靴

23/02/16_読破。大山淳子/著
7歳の誕生日の夜、少女は母親を目の前で惨殺される。誰が何のために母を殺したのか。奇跡的に生き延びた葵が辿り着いた先の山中で、老人に育てられる。やがて隔絶された世界で成長した少女が求めたものとは…。


7歳の誕生日を過ごす為、母から軽井沢の別荘に連れて来られた葵。父は仕事が忙しく、別荘には来られないと誕生日プレゼントに『赤い靴』を贈って寄越す。すぐに履きたかったが、お手伝いの老女に『夜に新しい靴を下ろすのは不吉』と忠告され、断念するが、その夜、興奮して眠りの浅かった葵は、ついつい靴を履いてしまう。靴を履きながらも、昔聞いた『赤い靴』のお話を思い出し、罪の意識に駆られる。物音を聞きつけた葵が、自室の外に出ると、目にした物は斧で頭を割られた母とお手伝いの老女だった。殺人者から必死に逃れようとする葵だが、うっかり犯人の車に乗り込んでしまい、山奥に遺棄されてしまう。そこで出会ったのは、狼の様な犬を連れた男だった。世間から隔絶された山中に住む男から育てられた葵は、男の死と共に外界に降り立つ。彼女が望むものとは…。


なんというか、壮絶な物語です。犯人はネタバレになるのでアレなんですが(なんか、最初の時点でわかったけど)、何故、妻の死を望んだのかが良く判らなかった…。いえ、多分こうだろう、という解説じみたものはあったのですが、おおよそ一般人の私には理解しがたかったので。
葵が考えていることもよく判らなかったし。そもそも、成長した葵が『こう』なったのは、山中での生活のせいなのか、先天的なものなのかもはっきりしない。けど、先天的でも後天的でも『普通には生きにくい』子であるのは間違いないだろうかと…。


とりあえず、『赤い靴』オマージュの?、ブラックなお話です。中々読み応えがあっておすすめ。