定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ロスト・ケア

22/11/01_読破。葉真中顕/著
介護される老人42人を殺した史上最悪の男の裁判。男は何を考え、行動を起こしたのか。果たして、男が行った殺人は、正しかったのか。介護に追い詰められていく人々、正義にしがみつく偽善者、社会の中でもがき苦しむ人々の絶望を抉り出す考えさせられるお話。


主人公は(恐らく)検事の大友。要介護の父親を学生時代の友人のツテで営利目的の高級福祉施設に預けるも、預けた施設の母体の会社は不正が暴かれ、友人はどこかに消えてしまう。大友の父親は老後に備えるだけの資金があったため、難を逃れるが、その会社の運営している福祉介護施設では混乱が起こる。福祉介護の仕事に対する世間の理解が無い為、介護職員たちがバッシングを受け、疲れ切り、一人、又一人と辞めていく中、介護職員の斯波は、訪問介護している老人宅のスペアキーが作成されていることに気づき、老人宅の前で見張りをする。一方、大友はある市で老人の不審死の件数が突出している事に気づき、捜査を始める。


犯人は介護していた父親を、貧困と苦労の中で殺しますが、殺人であることは誰にも気づかれず、そのまま福祉介護の仕事に付きます。福祉の現場には、自分と同じ思いをして苦しんでいる家族達がいるはずだから、同じ様に救いを…と、殺人を繰り返すのです。


読んでいて身につまされるお話ですね。実際、もうアラフィフなもんで、自分もどうなるかわからないし、今没交渉にしている、自分の親も旦那の親も何言ってくるかわからないし…。認知症になりたくないし、認知症の介護も嫌だし…(すみません。身近に居ないので分からなかったのですが、本当に、今現在介護されている方の苦労に身が縮む思いです…)


このお話、映画にもなっているんですね。今度、観てみよう…