定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】コク-ン

22/10/29_読破。葉真中顕/著
1995年3月、カルト教団『シンラ』の信者たちが丸の内で無差別乱射事件を起こす。その宗教は、1958年に一人の女性が呪われた子を産む決意をした日から始まる。色々な人生と運命が絡み合って、悲劇を生むが、本当にそれは悲劇だったのか?というお話です。


『シンラ』の教祖の母親は、幼少期にソ連軍に侵略され、母親を暴行された末に亡くします。その後、残されて暴行を受け、体が不自由になった父親と日本に戻り、頭のおかしくなった父親に日々暴行され、その父親の子を宿します。耐えられなくなった父親を殺害し、沼に埋めて逃走するも、お腹の子供を生むかどうするかで悩み、悩んだ挙げ句出産を決意します。この子供が将来『シンラ』の教祖となり、色々な事件を起こすのですが、『シンラ』がなかった場合に、世界はどうなっていったか→現実世界(オ○ムが……、とか戦争が…とか)の最終的に比較した後、『シンラ』があった世界の方が、もしかすると現実世界よりは悲劇が少なかったのではないか?…と、悩みながら女性は死んでいくのです。


そんな話ですが、一方で、幸せな家庭を気づいていた夫婦も描かれていて、夫が気がついた時には妻は『シンラ』の教えにどっぷり嵌っていて、出奔して帰ってこなくなってしまい、騒動が収まった時には既に死亡していて、解体されてしまっていたり、解体した信者の家族で、人生が壊されてしまった信者家族も描かれているため、読んでいて怖くなります。


新興宗教、こえーよ…(泣)家族が信者になったらどうしようとか、本気で読んでいて怖くなるお話でした。