定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】影法師

22/10/21_読破。百田尚樹/著
生涯の契りを誓った2人の少年。一方は異例の出世を果たし、もう一方は貧困の半ばに果てる。国家老まで出生した名倉彰蔵は、竹馬の友であった磯貝彦四郎の不遇の死の真相を追う。


ええと、主人公名倉彰蔵(幼名が勘一なので以後勘一)は下級武士の生まれで、父親を幼い頃に上級武士に殺されてしまい、俸禄を半分にされ、母と幼い妹と三人で懸命に生きてきた人です。友達の彦四郎は、中級武士の次男坊で、知力武力に優れ、幼い内は勘一の友人であり、かつ憧れの人です。共に切磋琢磨して育っていった幼なじみの二人ですが、ある事件をきっかけに正反対の路へ進むことになります。どんどん出世する勘一と、方やどんどん没落していく彦四郎。数十年後、出世しまくった勘一が国へ戻ると、彦四郎が死んだ事を聞かされます。妻(妻は元彦四郎の家の下女)と昔語りをしている内に、色々な事
を思い出し、彦四郎の半生を辿る勘一。そこにあったのは実は……と。


いい話だとは思うのですが、解せぬ!山本周五郎とかの話にもあったりするんだけど、何故そこまで友人に尽くすのか。友達が大切なのは解るのですが、お話の中の人って度を越すことないですか?自分の人生を歪めて、飲んだくれや痴れ者の誹りを受けながら、食うや食わずで影で友人を支える人生って…。何があったんだよ、彦四郎(いや、文中に説明らしき事はあるのですよ)おまえ、勘一の事がそんなに好きか?って問いかけたくなる…(~_~;)
いや、読んでみると解るんですよ。
ちょっと、ここまでするとおかしくない?…という、私がおかしいのでしょう。多分。


勘一自体は凄い人で、幼い時分から家計を助けようと竹千筋細工を習い、大人になってから上方に上がる友人に頼んで、上方の商人と交渉して貰い、自分の国の名産品を作ったり(しかも、大量注文受けるようになったので、逆に部屋住みや、お金に困った武士の奥様方に竹千筋細工を教えて、仕事の場を作り出したり)、干拓地を改良して農地を増やそうと奔走したり…。先見の明がある子だったんでしょうね。出世するのもまあ分かるのですけど。
彦四郎はね、努力しなくても何でも出来る子なもんだから、やる気が無くなっちゃったのね。みたいな感じでした(近所のおばちゃん的考察)


時代小説…というより、町人物が好きでよく読むのですが、この本、なんで借りたんだろ?