定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】絶叫

22/10/20_読破。葉真中顕/著
とあるアパートで一人暮らしの中年女性の遺体が発見される。遺体は飼っていたと思われる10匹の猫に食い荒らされ、顔の判別も出来ない程に傷んでいた。時を同じくして、NPO法人の会長が何者かに殺される。事件の裏にはある女の陰があり、操作を進めていく内に女とアパートで発見された遺体が同一人物=鈴木陽子なのではないかという想定に行きあたった。果たして鈴木陽子とは何者なのか。彼女は他殺なのか、それとも孤独死なのか?


この、鈴木陽子の孤独死を調べていた女性刑事が鈴木陽子の過去を調べていく内に、NPO法人の会長殺害の事件と絡んでいくのですが、絡まり方が秀逸(事実だったら笑い事じゃないけども)
鈴木陽子自体は、普通のサラリーマンの父と専業主婦の母を持つ、ごく普通の子として生まれ育ちました。彼女には賢い弟が居て、母親はこの弟を溺愛するあまり、陽子の方はほぼ放ったらかしです。その弟も、中学生で交通事故で亡くなりますが、母親は現実逃避で弟のことだけを考えてその後を生きます。父親は仕事が忙しいとかで家によりつきません。そんなこんなで平凡な陽子は、地元の短大を卒業し、地元の会社で事務員をして、実家で生活するなら困らない程度の給料を貰い、のほほんと生きていたのですが、ある日、父親が全財産を持って失踪してしまいます。実は父親は投資で借金を作り、首が回らなくなっていたのです。家は借金の方に取られ、母親はあっさり陽子を捨て、自分の兄の家に行ってしまいます。陽子は一人暮らしを始めるも、生活に行き詰まり、生保レディに。ツテ営業の人脈が付き、枕営業を重ね、ついには首となり、ボケかけて兄の実家から追い出された母親の金銭面の世話もしなくてはならなくなり、徐々に首が回らない状況に追い込まれていく彼女に、(この時点で、彼女の職業はデリヘル嬢…_| ̄|○)ある日、事件が起こります。
と、ここまでで興味を持った方は読んでみてくださいね。こういう感じの女性なんて沢山いそうですが、ここまで不幸路線突っ走っていると、読んでて苦しいわ~。
しかし、この陽子さん、一応主人公ですので、最後にはどんでん返し?あります。
怖~ってなるやつ…。


初めてこの方の小説を読みましたが、文章が読みやすくて良いですね。
ページ数が多くてもするする読める!次回も借りてみよう♪