定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】天使がいた三十日



22/07/23_読破。新堂冬樹/著

作曲家の日吉友哉はクリスマスイブに、子供を身篭っていた最愛の妻を事故で亡くして
しまい、喪失感から酒に浸り、ギャンブルにはまり、借金を重ねる。音楽もやめ、配達の
仕事を始めるも解雇される。何もかも失った一年後のイブの日、死ぬ決意をした友哉の前
に、アイリッシュ・セッターのマリーが現れ…。という話。
新堂さんの小説は読みやすいけど、たまにあっさりしすぎてる作品があって拍子抜けするのだが、これもそう。(先週読んだ『瞳の犬』も然り)
マリーが虐待されている家から逃げ出してくる下りとか、飼い主が取り戻しに来る所とかも『瞳の犬』と一緒。
作風にも好き嫌いがあるから、一概に言えないのだが、この小説では犬は小道具であって、本当に書きたかったのは死んだ奥さんとの純愛話なのね。犬の方に主体を置いて読んでしまうと、なんだかあっけなさすぎて困る話でした。
自分も、人から見ればたかだかペットの死で凹みやがって、なんだけど、主人公のグズグズっぷりが、何か嫌でした。また、純愛話なら純愛話で、死んだ奥さんの描写をもう少し丁寧
に書いて欲しかった(多分、尺が短いからあっちもこっちも書くにはあっさり表面だけ、
になったのだろうが)
こんな事書いてるけど、新堂さんが嫌いな訳ではないです。寧ろ好きな方です。ただ、何となく、作品の濃度にむらを感じる事が多々あるのが残念・・・。