定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】反社会品

22/09/21_読破。久坂部羊/著
以前借りた『こわい患者』の久坂部センセイの医療短編集です。若者の政治離れと福祉介護についての将来を描いた『占領』や、事前検査でお腹の子供が無脳児だと宣告された主婦の話『無脳児はバラ色の夢を見るか?』など、全7篇収録。


短編集なので、沢山お話があるわけですが、今回の本『こわい患者』より怖かったかも…。
個人的には『占領』。
大学生の主人公が、政治の講義中に白昼夢を見ます。夢の中では25年経っており、自身も中高年。25年後の社会では、電車で老人に席を譲ろうとすると『優先席は中高年・若者が座るもの』となっています。何故かというと超高齢社会において、いちばん大切なのは稼ぎ手の若・中高年世代だから。しかも、政府の政策では、1家庭6人程子供を産まなければ、税金が異常な程課せられたりします。それもこれも、若者が政治に興味を持たないから、高齢者優遇の世の中にしてしまったから…。そう気づいた主人公は、仲間に政治に興味をもたせようと色々行動しますが……。
という、何とも言えない怖い話。
なんか、本当にこれからの世の中がそうなりそうで怖い…。


他にも、家族に反対されながらも骨髄バンクに登録し、ドナー提供者として求められてしまった男性の『命の重さ』やら、いろいろあります。どれも、ブラックで面白いです。