定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ロス男

23/10/19_読破。平岡晴明/著

ロス世代と言われる世代を生きる吉井。40歳に

なり、そろそろ『本当』の自分の人生を起動したい。そんな、ロス世代の中年男の生き方を

描いた小説。


40歳。現職はフリーランスのライター。

正規雇用の経験なし。もちろん未婚。

たった一人の肉親である母を亡くし、

漠然とした喪失感を抱えていた。

ある日、偶然再会した元同僚の『死ぬまでに

やりたい10のこと』のリストの作成を手伝い

始め、彼の小さな世界が少しずつ変わり

始めた。

元同僚は奥さんと3回別居しており、そんな

奥さんは、一人息子に介護してもらって生き

ている。しかし、元同僚は、奥さんにベタ惚れ

していて、『死ぬまでにやりたい10のこと』

リストは、半分がた奥さんと共に生きる希望

ばかりで、ひたすら弱りゆく奥さんの事を

危惧して生活していた。

そんな元同僚の夢を叶えるべく、主人公の

吉井は思案し、様々な経験をしていく。

自身のアスペルガーをネタにしたエッセイ漫画

を描く女性のマネジメントを始め、彼女に

恋したり、婚活パーティーに参加したり、

元同僚の生活のケアをしたり。

そんな生活の最中、周りの人間達の影響を受け、吉井の人生に対する感じ方、考え方が

変化していく。

『ロスジェネ世代』と言われた自分たちは、いったい何を損失してしまったのだろうか。


『ロスジェネ世代』って、1970年~1984年頃に生まれた、バブル崩壊後の不景気の中、就職活動を行った経験を持つ人を指すらしいです。

って、あらやだ?私もロスジェネ世代ですわ。

そんな事、感じた事も無かったのは、地方から

離れなかったからでしょうか?(^◇^;)

読んでて、婚活パーティーやらファミコンショップやら、懐かしい言葉がちらほら。

とりあえず、『死ぬまでにやりたい10の事』リストは自分も作ってみようかしら?と

思いました。多分、人生に張り合いが出来る

気がします。

【読書感想】あがない

23/10/18_読破。倉数茂/著

「そんなにまでして生きている意味あるんすか」解体作業員の祐は、過去に抗不安薬依存に陥いり、逮捕歴を持つ

てある青年との出会いが、彼の平穏を脅かす。


ある日、解体業者で働く祐は、現場に倒れていた若い男を助ける。成島と名乗るその男に、以前、抗不安薬依存に陥った自分を支配した男の存在を感じ、恐る祐。

祐は、その男の指示のもと、知らない老人の

殺害に関与して逮捕された過去があった。

成島は、祐の職場に入り込み、やりたい放題に

職場を引っ掻き回し、挙句に祐が懇意に

している老人宅に押し入る事を仄めかす。

追い詰められた祐が取った行動は…。


自分自身には刺さらない話だったんだけども、

多分、祐は、薬物依存でやらかした過去の

自分に対して、やらかした自分の過去によって

被害を受けた人に対して、『あがない』たかったのかなぁ?成島みたいな生き物が側に

いたら、職場変えるかも。刹那的で野放図な

若者には、極力近づきたくない年寄りな私🧓

【読書感想】アルツ村

23/20/16_読破。南杏子/著

高齢者が身を寄せ合って暮らす山間の村。

そこは楽園か、遺棄の地か?


夫の暴力から逃れようと、幼い娘を連れ家を出た明日香は、逃亡中にしつこくあおり運転を受け、事故に遭う。あおり運転をして来た連中から逃げる為、山奥に迷い込んだ明日香だが、

高い柵を越えようとした際、転落して意識を

失う。目が覚めると、知らない家の居間に

寝かされており、家の主である老人は、明日香を、自分の孫と思い込んでいた。

勘違いをこれ幸い、迷い込んだ山奥の村で暮らし始めた明日香は、一見平和に見える村に隠された秘密に気付き始める。

住民はどこから来たのか?この 村の運営目的は何なのか?

老老介護、ヤングケアラー、介護破綻。世界一の認知症大国である日本において、認知症の『いま』に斬り込む衝撃作!


認知症患者の老人だけが生活する、所在地すら

謎の村に迷い込んだ、主人公明日香。

DV夫から、娘と共に逃げ込むが…。という

話から、最終的なオチまで一気に読み進めました。……で、オチが凄かった💦

認知症の研究の為に、認知症患者を集めて、

研究材料にしている、的な展開は、すぐ

分かったのですが、明日香さんの存在理由が

オチでハッキリした時に、えーー?!って

驚きます。

老いは誰にも訪れるし、認知症もいつ発症

するか、誰にも選べません。けれども、

死んだら研究材料にされるかもしれないけど、

この村で過ごす、自由な生活は、本人には幸せなのではないかと、私は思えました。