【読書感想】夢伝い
23/08/18_読破。宇佐美まこと/著
昭和から現代までを舞台に、日常に潜む怪異や心理の歪みから生まれる怪奇を描く、全11話の
短編集。
自身の担当する作家が突然、断筆宣言をし出した。担当編集者は作家の元へ説得向かうが、
作家が断筆する理由を聞かされ、彼を脅かすものを探しに、彼の旧友の元へ向かう…
『夢伝い』より
胎内で卵を孵す珍しいセグロウミヘビ。海洋生物マニアの男はセグロウミヘビ「彼女」を手に入れてから、彼女に夢中になる。ある日、
大切にしていたウミヘビが部屋から消えてしまう。失意に沈む男だが、彼女は産卵の為に海に
帰っただけで、産んだ後自分の元に戻って来る
と言い張る。そんなある日、彼は黒づくめの謎めいた妊婦、マヤと知り合うが、彼女の正体は…『卵胎生』より
妻子持ちの男、和馬を追いかける咲耶子は、
和馬の家庭を破壊し、逃げる彼をなお追いかける。そしてある日、和馬と沙耶子の情事中に、
和馬の最愛の娘、絵里香が交通事故で死んでしまう。沙耶子は和馬を追いかけ、移り住んだ先で、満月の夜だけ自身の故郷に似通った街に
出入りできる様になり、昔、失踪してしまった
友人に思いを馳せるが…『満月の街』より
他8作収録の短編集。
どれを読んでも後味が悪い(ぞっとする?)
短編集。個人的には、会社で理不尽なパワハラに悩む女性が、観葉植物?のエアープラントを
手に入れた事で、狂っていく『エアープランツ』が、嫌でした。エアープラントが嫌なんじゃなく、自分のストレスの捌け口に、部下に
スキル以上の仕事を与え、叱責しまくる上司と
見て見ぬふりする同僚。どこも、こんなよねぇ
と、読んでいてめちゃくちゃ気分が悪かった💢
真夏にちょっと、涼しくなる?お話が満載です。
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