定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】さもなくば黙れ

22/10/13_読破。平山瑞穂/著
コロナ禍から10年が経過した日本。バイザーを利用した相互監視システムが構築され、システムに適合出来ない人々は『アンプラ』と呼ばれ、犯罪者予備軍のように見られる。不適合の人々は『静山泊』と呼ばれる別荘に集まるが、ある事件をきっかけに地域住民による排斥運動が始まる。彼等の行く末に明るい未来はあるのか。


『近年多発しているキレた若者の連続殺害事件等の加害者は基本的に、引きこもっていたり、SNSをやっていなかったり、様々な理由で社会に対して隔絶されていたケースが多い。だから、強制的に他社と会話できるシステムを構築し、日本人全体に義務付ける』この本では、バイザーと言うアイテムにより、他社と口を開かなくても会話できるシステムがあり、相手から会話を持ちかけられた際に、期限時間内に返答できないと、社会不適合者として頭の上に逆三角形マークが付けられ、周りの人から差別されます。


主人公は、もともと会話ベタで言いたい事を言うのに考え込む所があり、返答が遅れます。そのせいでバイザーに馴染めず、転職して行き着いたパート先の主婦たちと揉め事を起こし、折角得た職場を飛び出してしまいます。家に居ても世間体の気になる母親が煩わしいし、どうにか社会復帰したいと考えていた矢先に、高校時代の旧友に不適合者が暮らす『静山荘』を紹介され、その住人となる事に。社会では不適合者とラベル付けされている彼らですが、一緒に暮らして馴染んでゆけば、普通の人達です。ほんの少しシステムに慣れないだけ。バイザー生活の練習をしながら、社会復帰を目指す人達は平穏な日々を過ごしますが、ある日事件が起こります。事件の犯人は又しても不適合者。この事件をきっかけに『静山荘』に不適合者が住む事を良く思っていなかった地元民が、毎日やってきて『静山荘』を解体し、不適合者を追い出せと騒ぎます。


…とまあ、ここ迄でやめますが、嫌な話でした。
まず、最初の相互監視システムの義務化が嫌ですね(^o^;)
不適合者云々は、この話に限ったことでなく、色々な場面で出くわす現象ですけど。
多数派が少数派を迫害するのは人間の性なんでしょうかね…。


読み終わった後も、具体的に解決したわけでもないのでモヤモヤするお話でした。
あと、システムの説明が前半あるのですが、話に入り込む迄が辛かった…(読むのやめようかと思っちゃいました…)