定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】無痛

22/10/07_読破。久坂部羊/著
一目で症状がわかる2人の医師、痛覚を持たない男、別れた妻を追い回すスト-カ-、殺人容疑のまま施設を脱走した少女。そして刑事達に立ちはだかる刑法39条。真の悪とは何か。


500頁近かったもんで、読み応えありました。


刑法39条。心神喪失状態の犯人は責任能力がない、とかいうやつ。これは読んでて考えさせられたのですが、被害者側から見ればとんでもない法律なんで、普段は割と憤ってたんですよ。だって、やったことはやったことで罪なんだから…と思っていたのですが、この本を読んで、犯人の側にも色々なドラマが有って、精神を患っている人の親族や本人も大変辛い思いをしている、という事。私自身は、身内にも近辺にもそういった方が存在しないから、思い当たらない事実なんですね。でも、自分では抑えられない事で苦しんでいる方々もいる。今まで見なかった反対側の世界を少し知りました。


また、痛覚を持たない人が出てくるのですが、これも(昔ムスメが小さい時にそうではないかと疑ったことがある)相当怖い事なのだと認識しました。親が気づくまで、本人は無自覚ですから、子供の内は怪我しようが骨折しようが火傷しようが、気づかないので放置するのだそうです。これ、自分の子だったら、と思うとゾッとしますよね。血がダラダラ出てようが、骨が折れてようが遊び続ける子供…。ホラーすぎる。当然、死へのハードル低くなる。自分の痛みに無自覚なので、他人の痛みも理解できない。大変なことです。


この本には様々な障害を持つ人が登場しますので、いろいろ勉強になりました。
けどね、この本の終わり方…。続編書くつもりか!?っていう、ね。中途半端に読者を置き去りにしないでよ~(~_~;)