定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】あの子のことは、なにも知らない

22/09/29_読破。栗沢まり/作
中学卒業まで2週間なのに祝賀会で使う子供の頃の写真を全く持ってこない和也。それを許せないクラスの委員長の美咲は、和也にキツく当たるが逆にキレられてしまう。何故、和也は写真を持ってこないのか。徐々に明らかになる和也の家庭事情。それを知った時、美咲が感じた事とは…。



主人公の美咲は、出来るビジネスウーマンの母を持ち、学年主任?の先生に憧れる正義の子です。学校の規則・決まりは守って当たり前。自分はやっているから、やらない人は甘えでしか無い、という考えで生きていて、まわりのクラスメートから少し煙たがられています。一方、和也の方は、転校してきてまもなく、クラスメートからも浮いている孤立した状態。
わかりますよね、この展開。美咲の中学校の祝賀会(卒業式の前にやる儀式みたいな会)は伝統として、保護者・先生方に感謝の気持を述べ、感謝の手紙を書き、それを保護者に渡すというイベントです。クラスには、何度言っても提出してくれない子も居て、美咲は苛立つのですが、和也の家庭の事情が薄々分かって来て、美咲の考え方も変わっていきます。


タイトルに惹かれて借りてみました。
和也、ネグレクトか?虐待か?と思って読んでったら、オチが微妙に斜め上で、虐待バージョンより悲しくなりました。
きっと、今はこういう子が学年に何人か存在するのかも…と思うとやり切れないですね。
少なくともこの小説では、和也の未来に先がありそうで良かったです。