定年まであと何年?

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【読書感想】比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども

22/12/25_読破。藤崎翔/著
藤崎翔の短編集。表題作は、
サタン橋爪率いる『悪魔党』が議員に立候補。 奇抜なメイクと高飛車な言動で注目を集めるイロモノ集団かと思いきや、意外と真っ当な政権公約を繰り出す。次第に『悪魔党』は人気を集め、見事党の4人が比例区当選を果たす。 『悪魔党』は、やがて世界中に『悪魔運動』を起こす程の影響力を持つようになるのだが…。


表題作以外にも、ショートショートも書かれていますが、どれも面白いです。
シンデレラが、家を訪ねてきた王子を相手に反乱を起こしたり、宇宙人の官能小説があったり(意味不明でしたが…)


表題作だけ取ってみると、サタン橋爪達はYou Tube上で民衆から聴衆した苦情を元に討論し、是正策を政策として打ち出し、見事に法律として成立させていきます。(例えば自社職員にノルマを課した会社には罰金とか)
最終的にサタン橋爪は内閣総理大臣まで勤め上げ、日本をより良い形にした後に忽然と姿を消します。この悪魔運動が世界にも広がり、全世界がより良き実りある社会となっていくのですが、数年後、悲劇は起こるのです。
因みに、悪魔党が悪魔なのに人間社会を改革するの目的は、幸福を齎した後の豊かになった人間どもを食べるためだそうです。


他にも、マッチングアプリに人生を委ねた男の話や、昨今の画像編集技術の向上から、心霊写真が信憑性を欠いてしまい、その存在を世間に知らしめたい幽霊の話など、思わず笑っちゃう内容が満載です。