定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ヤスの本懐

22/12/09_読破。原宏一/著
ヤッさんがある日、韓国食堂のオモニとともに姿を消す。丁度その頃ヤッさんの弟子のマリエや真菜の仕事にも色々な問題が勃発する。頼りのヤッさんはおらず、一番弟子のタカオは、問題解決に奔走するが、同時にヤッさんの不在に不信を抱き、ヤッさんを探し始める。一体ヤッさんに何が起きたのか?


ヤッさんシリーズ最終巻。このコロナ禍で、思えばヤッさんの弟子は全員飲食業界の方々。さぞ、御苦労なさったんでしょう…(現実の話、飲食業界の方々は本当にこの数年、大変な目に遭われたと思います)
マリエさんは、自分の店の看板メニューを立ち上げ、コロナ禍でやっと経営が立ち行く様になった最中、有名デパートに出店しないかと誘われ、喜んで話を聞くも、担当に、このデパートにふさわしい味に変えてくれと言われ、色々考えますが、どうやっても上手く行かず、自分を見失いかけます。それを見ていた従業員も、マリエに失望し、マリエの下から去ろうとしますが…。真菜の寿司屋も同業者に妬まれ、ネット社会の昨今、SNS上や空予約で嫌がらせを受け、困り果てているのをタカオが見るに見かねて、犯人探しに乗り出しますが…。最後に、ヤッさんが何故姿を消したのか。オモニの身に何が起こったのか。そして、最後にオモニとヤッさんの関係に微妙な変化が…。ヤッさんシリーズをずっと読んできた読者側からしてみると、弱気なヤッさんを初めて読めるという、貴重な作品です。あのヤッさんも、悩み多き人間なのです(笑)


一見華々しい飲食業界の大変さを垣間見られるお仕事&グルメ小説。読んだ後は、しみじみとした気分になれるので、読んだことのない貴方に是非、ヤッさんシリーズの一気読みをオススメ!^^;