定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】虫たちの家

22/12/05_読破。原田ひ香/著
九州の孤島にあるグル-プホ-ム『虫たちの家』では、インタ-ネット犯罪で傷ついた女性たちが共同生活をしている。そこに、美しく奔放な少女、アゲハがやってきた。古参のテントウムシは、今まで没交渉としてきた村の青年達にアゲハが近づきすぎるのを知って不安になり、アゲハの過去を調べ始める。


このグループホームの原則として『インターネット禁止』というのがあり、島で暮らしている間は他所でネット接続しても駄目、というのがあります。ここで生活してる女性たちが、全員、過去にリベンジポルノ等で傷ついて、世間からの視線を避ける為に集まっている、という経緯がある為なのですが、現代社会ではなかなか厳しいですよね。
主人公の『テントウムシ』は、アゲハを恐れるあまりに島の図書館で、アゲハの過去(に巻き込まれた事件)を検索してしまい、その現場をアゲハに隠し撮りされ、グループホームを追われます。
この小説の各所各所に、一人称の『私』の幼少期が描かれ、『私』の父は『私』の同級生の母親と関係があり、同級生はもしかしたら、父親の子供なのではないか?と疑念を持ちます。また、それが理由か、『私』の母親は自殺してしまいます。
この『私』が誰なのかが物語の謎なのですが、私、終盤までテントウムシだと思ってたら違ってました(笑)まあ、読んでからのお楽しみです。


最後の最後で、アゲハの人生、テントウムシの人生がどうなっているのか。彼女達は幸せなのか。ちょっぴりテントウムシに救いがあったのが何よりでした。